インタビュー:Watson – 1日2曲以上を創り続けて生まれるもの Interviewed by @LilPri_
「顔認証で解けるiPhoneのロックが解けないくらい腫れた目の夜」(“zzz”)
徳島から突如現れたリリシストかつパンチライン巧者・Watson。2021年11月にリリースしたEP『Thin Gold Chain』の魅力がシーンにじわじわと浸透し、各所で確かな熱狂を起こしつつある存在だ。とにかくそのリリックは尺稼ぎとは無縁。
「ヤクキメてなくても必死にする掃除」
「田舎なもんで望遠鏡必要ない上見りゃ星…目だけが泣いてる理由はOG」(共に”18K”)
もつれたフロウから吐き出されるリリックの強度は近年登場した若手でも群を抜き、シーンでの更なる活躍を予感させる。T-STONEに続き、一気に徳島をHIPHOP地図に書き加える存在になるか。2022年アップカミングなひとり、その実像に迫る。
登場する主なアーティスト(順不同):
KOHH, ZORN, Morray, Ring-to, T.J Rob, T-STONE, ralph, DADA, PanDeMiCs
Interviewed by LilPri (https://twitter.com/LilPri_)
「ストックが600曲とかあるんで、無理にカッコ付けてても言うことなくなる」
─Lil Pri: 本日はよろしくお願いします。まずは簡単なプロフィールを教えて欲しいのと…あと最近は”18K”のMVも2万再生を超えたりしていて…自分の中で手応えはありますか?
Watson:
よろしくお願いします、Watsonです。いま21歳で、徳島県の小松島市っていう…超田舎の出身です。でも最近はそうですね、少しずつ来てるのかなって感じはしてます。だから手応えはありますけど、まだまだです。元々は再生数とかも全然気にしてなかったんですけど、(再生数が)回るようになって初めて見てて「面白い」って思えるようになったりもして。でもだからこそ、もっといきたいなって思いますね。
─「Watson」ってMCネーム…由来は何なんですか?
Watson:
自分の本名が「勇斗」なんですけど。16歳の時にいた仕事場に勇斗が2人いて…名前も被ってるからそれを踏まえて一発ギャグをすることになって。その時の一発ギャグが由来で、思い付いた単語からWatsonになりました。
─元々はどんな音楽を聴いて育ったんですか?元からHIPHOPって感じだったとか?
Watson:
いや、元は全然ですよ。3年前くらいにHIPHOPを聴いて、そっからパーンいった感じです。まあ、HIPHOPも前から聴いてはいたんですけど、そんなドハマりしてる訳ではなくて。普通のJ-Popも聴くみたいな。CD持ってたのはそれこそGReeeNとか、UVERworldのライブに2回行ったりとか、普通すよ。そんな中で初めてHIPHOPに触れたのは…カラオケで友達が歌ってたAK(-69)さんとかかな、ちゃんと覚えてないですけど。そのあとからBAD HOPとか聴くようになって…あとKOHHさんは全曲聴いてるっすね。
─そうしてHIPHOPに出会ってからの生活はどんな感じだったんですか?
Watson:
自分は通信制の高校だったんですけど、そのHIPHOPに出会った頃にはもう金稼ごうって感じやったんです。それで18歳のとき、先輩のツテを辿って大阪に出てきたんですけど。そっからしばらくして…自分タトゥーめっちゃ入れてるんですけど、大阪でお世話になってる彫り師さんのところにスタジオもあって。彫ってもらってるときにHIPHOPも流れてたんですけど、そのとき「ちょっとこのビートで録ってみようや」ってなって、ノリで録ったのが最初ですね。自分もちょっと興味あったんでやってみて…まあ全然やったんですけど、「自分でも出来るかも」って思えたっす。それが19歳のとき。徳島でも遊びでフリースタイルとかはしてたんですけど、ちゃんとやったのはそれが最初です。
でもそのときは同時に「まだまだ出せるもんちゃうな」とも思ってたんで。ちゃんと作りださなあかんなって思った。それでまずは自分の中で作り始めて、それでシーン的なとこに出てきたのが2021年って感じです。
─そうしてHIPHOPをやろうと思った…HIPHOPが刺さった理由ってなんなんですか?
Watson:
そんときは全然分からん…言語化出来てなかったすけど、今になってほんまに思うのは、自分の弱いところをさらけ出してもカッコ良く出来るってとこですね。カッコ悪いこと歌っとってもカッコ良くあれるって、凄いじゃないですか。だから、無理にカッコ良くあろうとかは全然してないですね。
─確かに、弱い部分とかカッコ悪いところを出すって、最近のラップだと中々聴かないですよね。リリックに「人の目とか少しは気になる方」(“18K”)とか「ビビりな方」(“wo”)とか出てきますけど、ストリートな雰囲気のラッパーでは中々珍しいなと。
Watson:
もちろん、自分も最初はそんな歌詞書けへんかったです。強いところ見せなあかんかなとか。でも、今では曲の中で「クソニート」とか言ってるのも…別にほんまのことやし。誰のインタビューやったか忘れたんですけど、誰かが「HIPHOPはちゃんと本当のことを歌った方が伝わる」って言ってたことも影響してるかもしれません。
─”18K”のMVのコメントで「ニューリアル」って書いてあるのがありましたが、まさにそれだなと。
Watson:
ちゃんと自分に忠実でいるのにはこだわってます。俺、ほんまに曲ばっか作ってるんですよ。ストックで言うと600曲とかあるんですけど。そうすると、無理にカッコ付けたこと歌っとっても言うことなくなってくるんですよね。自然と身の回りのこと歌うしかなくなる。それで今の感じに辿り着いたのかもしれんす…それは今から振り返るとって感じですけど。でも、自分がこういうスタイルで見せることで「お前らもそのままでええんやぞ、出来るで」ってのはほんまに伝えたいことですね。
─なるほど、その中でも歌詞はずっと書いてたんですね。
Watson:
ほんまに毎日書いてるっす。たまに休むかなってくらいすね。そうして形になったかなって思えたのが去年て感じで。ずっと曲にしてたっすけど…友達とかは始めから「良いじゃん」って言ってくれたし、それには救われたんですけど…でもまあ、まだまだやとは分かるじゃないですか。それでも少しずつは自信が付いて、「いまのこの自分を出したら全くの他人の人はどう反応するんやろ」って気になってきたのが2021年っていうか。
─それで出したのが『Pose1』(2021年)だったと。
Watson:
そうですね、これを出すまではライブもしたことなかったです。Mixとかは大阪の…YattってMCの子がやってくれたりして、完成しました。でもシーンに出るとかそういう意識はなくて、とりあえず反応を見たくて作った感じで。
─そこから「シーンに出る」ことを意識したのはいつ頃?
Watson:
それが『Thin Gold Chain』(2021年)ですね。これ出して…ちょっと徳島のシーンから出てくことを意識したときに、「あ、俺いけるんちゃうかな」ってなんか思えたっす。このEPを出して「じゃあライブするか」ってなって…徳島にあるクラブ・KING or CLOWNとかに通ってたんですけど。そんなときにUMBの予選があったんですよ。普段友達と遊ぶときにフリースタイルとかしてたんで、ちょっと出てみるかって。で、余裕で1回戦でボッコボコにやられて終わりました(笑) でも、予選のあとに「ライブしたい人はアフターパーティーでやって良いよ」って連絡があったんで、やってみたんです。そしたらなんか客の反応も良くて、ぶっちゃけ「俺結構いけるんちゃうん」って思ったっていう。
そこからはもう、ライブ呼ばれるの待っててもなと思って自分でイベント打つようになったりとか、動き出しました。だからここ数か月の話ですね。俺が徳島にスポットライトを当てられるって、今ではそう思ってます。
─そこからはもう、さっきも話にあったように曲を作りまくる生活になってる?
Watson:
そうですね、元は歌詞を書き続けてましたけど、今では歌詞を書きながら曲を録ってるんで。だからさっきの通りストックが600曲くらいある。
─600曲って、USのラッパー並ですよね。
Watson:
ああ、まさにそういうところを意識してます。色んな人のインタビューを読む中で…Da Babyとかもずっとハングリーにやりまくってるじゃないですか。自分もそうせなあかんなって意識は凄くあります。ラップやり出してからはUSも凄く聴くようになったんです。聴いてる音楽が自分のフロウに直結するってこともなんとなく理解してたんで。最初はMigosやFutureとかから入って…今はもう日に日に変わってるんですけど、自分の現在のフロウにリンクするところで言うとMorrayとかですかね。Boom Bapの曲とかも作ったりはしてるんですけど、自分の中でバチっとハマってるのはこの辺のメロウなTrapかなって気がします。
なけなしの金で薄いゴールドチェーンを買う、その意味
─Watsonさんは擬音語も良く出てくるし使い方も独特ですよね。「ジャラジャラ」とか「ウッシッシ」「キャッキャ」とか…あんまりラップの中で聴いたことのない、印象的なものが多い。
Watson:
辿り着いたものの感じはあります。たぶんこの辺の使い方はUSのラッパーたちが「brrrr」とか「skrr skrr」って言ったりするようなところの影響もあるかなって。それを丸ごとパクっても意味ないんで、自分に置き換えた場合に「これは自分で言うとジャラジャラやな」みたいな。考え方そのものを理解して、自分のやり方に落とし込むのが大事やなって思います。
─各作品のコンセプトについても聞かせて下さい。最初のアルバム『Pose1』はどういう作品だったんですか?
Watson:
まず、このタイトルは「構えその壱」的なことですね。当時はほんまに誰にも見向きされてなかったし、友達ですら、俺が上がってくって信じ切られへんかったんちゃうかと思います。でも、そこからちゃんと上がっていくからな、まずは第1弾やってことで作った作品であり、タイトルでした。当時はシリーズ化するつもりで…「Pose2」「Pose3」とか続けてもええかなと思ってましたけど、それは途切れましたね(笑)
─次の『Thin Gold Chain』になると更に歌詞の強度も上がってきましたよね。
Watson:
この辺になると曲を作りまくる生活になった時期ですね。で、話した通りそうなると同じことばっか歌ってても…ってのが出てくる。でも、そんな中で「Gold Chain」って単語は何度も出てきて、印象にあって。それでなけなしの金で、全然太くない、薄い(Thin)チェーンを買ったんですよ。その辺は感覚的な話なんですけど、そうしたことが繋がって出来てきた作品です。
─そうして出来た作品ですが、リリックの強度…パンチラインが本当にヤバいですよね。C.O.S.A.さんとかみたいな。
Watson:
そんなですか?(笑)
─ひとつひとつの文が記憶に残るんですよね。色んな曲を聴いてると、結構「またこういう王道の歌詞かー」って聞き流せちゃうときとかあるんですけど、Watsonさんの歌詞はどれも聞き逃せない。
Watson:
ありがとうございます、嬉しいです。歌詞については…小説とかから、その情景の描写の仕方とかを学んでると思います。音楽を始めてからは意識して「読書しよう」と思ってめちゃくちゃ読んでて。最近はあんまり読めてないんですけど…どうすれば歌詞をもっと良く出来るのかは常に考えてます。自分、ちゃんと曲を作り続けないと病んでくるんですよ。で、良い曲を作らないと意味がないし、良い曲は常に最新じゃなきゃあかんって思います。だって…いっとき良い曲を作っても、それはもう過去じゃないですか。今の自分が良い曲を作れな意味ないっていうか。
だからもう次のミックステープも用意してます。ほぼ出来上がりつつあって、あとは何度かちゃんとレコーディングすれば良いくらい。で、その中に入れる曲は最新のじゃないと、自分の中でフレッシュじゃない。ストックは600曲あるんですけど、それは習作というか…それをそのまま使うんじゃなくて、それも踏まえて今の曲にするって感じです。
─既に次の動きも仕上がりつつあると。最近の動きで言えば、YouTubeの企画「03-Performance」にも参加しましたよね。あれの経緯はどんなものだったんですか?
Watson:
あれは”Pull feat. smiley”のMVを撮ってくれたINK FILMのロミーくんがやってて、企画をやるにあたって声を掛けてくれました。USでもある企画「From the Block」みたいな、新人発掘的な企画なんですけど、その一発目にお願いさせてくれへんかって。カッコ良く撮ってもらってありがたいですね。
─あれはカッコ良かったですね。あそこでパフォームした”シェンロン”が次のミックステープに入る感じですか?
Watson:
そのつもりやったんですけど、どうやろ…もしかすると抜く可能性もあるかもですね。それくらい良い曲が溜まってきてるんで。ミックステープはUK Drillの曲が多くなったりしてるんで。UKのビートは結構やりやすいなって最近気付いたすね。ビデオもそっからひとつ出る予定です。
─徳島のHIPHOPシーンについてはどう感じていますか?
Watson:
まず、『Thin Gold Chain』に客演してるsmileyとかは自分が始めたことでラップしてくれた仲間やし、”zzz”に客演したneroとかはラップやればほんま上手いなって思う後輩です。あとは徳島のシーンに出てみてからも、「こいつらカッコええな」って人はめっちゃいますね。それこそ次の作品には客演も結構入ってくる予定ですし、自分も今後客演に呼ばれたりすることも増えて。
それこそT-STONEくんとかは同じ徳島出身で…通らなきゃいけない道やと思ってます。正直凄いなって思う。自分がシーンに出てったときにやらなきゃいけないことを全部やってる。それは地元でイベント打つところから、外に出て行って地元をレップしながら活躍するところであったり。自分もやらなあかんなって思います。ああいう人がおって、自分も活動しやすくなってる部分だってあると思う。徳島で活動してると「T-STONEはこうやってた」って色んな人から話を聞きますし…でも、そこに自分も行きます。すぐっす。
─T-STONEさんはバトルでも活躍されたりしていて、チャネルを広く持ってる人でもありますよね。
Watson:
そこも凄いなと思いますね。バトルは…やっぱバトル強い人はリスペクトです。自分でもやってみてそう思います。自分に出来ないことやってるって凄いなって。もちろん自分は楽曲でカッコ付けたかったからこれで良いんですけど。だからバトルでカッコ良い彼らのことはリスペクトしてるし…「バトルMCはダサい」みたいなこという奴はジェラスちゃうかなって思ってます。
─他にもカッコ良いなって思う人はいますか?
Watson:
最近凄いなって思ったのは徳島のRing-toくん。03-Performanceからもビデオ出してます。彼は徳島でも自分と同じ小松島市和田島町の出身で。海沿いのド田舎の街なんですけど、そこの…結構年下の後輩で。シーンに出てから知って、「バイブスあるな」と思って。この街からラッパーが複数出てくるって熱いし…自分らがこの街を上げていければ良いっすね。
あとはビートメイカーだとTJ.ROBくん。彼もRing-toくんと同い年ですね。彼は凄いっす、パーティーとか見ててもいつもガンガン盛り上げてる。あくまで顔見知りでそんなに遊んだりしまくる仲って訳じゃないですけど、でもやっぱり熱いです。
ただ、その中でも俺が絶対一番カマしてやるってのは思ってます。自分もまだシーンに出てきたばっかやけど、いざ出てきて見て…俺なら上がっていけるっていうのが確信としてある。
「俺はジョーダン持ってる」って言うラッパーはいても、「どんだけ貧乏でも売らなかったジョーダン」って歌える人はいない
─自分も去年の11月にWatsonさんを知った身ですが、出てきたばかりでここまで来てるのは凄いですよね。ほんとにまだ始めたばかりということで。
Watson:
自分も昔は「自分に出来る」とは思ってなかったです。でも実際やってみたら意外といけるやんって…だからこそみんなにも「やれるぞ」って伝えたい。”Street Blues”でも歌ってますけど…大阪のストリートで色々やったりとか、色々あったりした中で…こういう稼ぎ方してもあんま儲からんし、色んな意味でええことないなって思って。当時は音楽制作する為の金もなくて…でも普通の仕事してたら時間ないやんって思いこんじゃって。それで色々やったりもしたんですけど、やっぱちゃうかった。この辺の話が『Pose1』とか出る前の話になるんですけど、詳しいことは今後出る曲やMVをチェックしてもらえれば分かります。
─生活環境の話で言うと、あとは「お母さん」が歌詞に出てくる頻度も特徴的ですよね。
Watson:
そうですね…まあみんなのおかんと同じやとは思いますけど。でも歌詞に出てくるように「働け」とは言われたり…でもね、最近その態度もちょっと変わってきたすね。言葉に出しては言わないですけど。そう感じる部分があります。おかん喜ばせたいですね。
─加えて「おばあちゃん」の話も出てきたりしますもんね。「刺青入れてから行きにくくなったばあちゃんの家」(“I know”)とか、他の人の歌詞では中々聞かない。
Watson:
ですね…自分ちは正直、別にクソ貧乏って訳じゃないんですよ。大金持ちではないけど普通の家で。そういう環境で墨入ってる奴がいるってなると…おかんもですけど、ばあちゃんもやっぱり嫌がるじゃないですか。だからこの辺の歌詞はリアルやし、こうしたリリックを「これが俺やから」ってカッコ付けずに書けるようになったのも最近のことですね。それも含めて意識して歌詞を書いて…他の誰かが言わへんようなことを言ってパンチ打つっていうのは意識してるっす。
─パンチラインから転じて、ギャグというか笑わせに来るような歌詞が飛び出てくるのも特徴的ですよね。いきなり「好きなものブドウ」(“Look”)って出てきたりするみたいな。
Watson:
ありがとうございます、それは嬉しいポイントですね(笑) これはぶっちゃけ内輪ノリというか…友達の受けが良いんですよ。真剣な曲を作ってても、こういう外しがあると友達が「おっ」てなるみたいな。このスタンスが出てきたのも『Thin Gold Chain』の頃からです。この辺は韻を踏むことを前提に考えた時に出てきた言葉で決まってくる部分もありますね。
─同じ”Look”だと「関係ないパイOンかボーボー」とかもあったりして、マジでなんなんだみたいな(笑)
Watson:
これは自分の中でパンチラインですね。最近世代の中で脱毛が流行ってるっすけど、俺の友達でもやってる奴いて、ちょっと「脱毛したわ」ってイキってたんすよ(笑) 俺も「確かに脱毛した方が清潔やな…」って思ったっすけど、「いや、曲作るときにはそんなん関係ないわ」ってなって、そんで入れた歌詞です。
こういうのも、いつか読んだZORNさんのインタビューには影響受けてるかもしれないです。何かの記事で「好きなこと書いたらいいんだよ」って言ってて、ああ、こういう歌詞の書き方してもええんやって幅が広がった。KOHHさんもそのまま思ったこと書くラッパーやし、そういう面での影響はあると思います。例えば「でもとしやがマリファナ売りつける」(ZORN “Rep”)みたく、地元の友達の名前がいきなり歌詞に出てくる。身内以外誰も分からんネタやけど、これでええんやって。だから…次の作品とかでは身内ノリが進んでると思います。自分は兄弟もいるんですけど、その辺の話もいきなり出てくるみたいな。
─この辺の話は「リアルに語る」ところと繋がってるんでしょうね。「俺はジョーダン持ってる」っていうラッパーはいても、「どんだけ貧乏でも売らなかったジョーダン」(“zzz”)って歌える人は中々いない。
Watson:
ジョーダンは実際これで歌ってるひとつしか持ってないです。ジョーダン1ですけど、これをずっと大事にしてる。それもこれも、ほんまに思ってることしか自分は書けないんで。カッコ付けたこと無理に書いても、自分で良いとは思えないんで。
─ZORNさんやKOHHさんなど、上の世代からの影響は語ってもらったところですが、同世代あたりで気になる人はいるんですか?
Watson:
ralphくんはめっちゃカッコ良いと思いますね。歌詞の書き方とかパンチラインとか超イケてるっす。あとは…ほんまに最近やとDADAくん。友達が聴いてて知ったんですけど良いっすね。あとは…同い年ってことならPanDeMiCsです。
─今後はWatsonさんも上がっていくと。
Watson:
はい、音源ちゃんと作って、ステージで歌って、更にデカいステージに立って…っていうのを繰り返して上がっていきたいですね。ライブもちょくちょく県外からも声掛かるようになってますし…次の作品とかでバチっと来たら全国周りたいです。ライブでやる曲数も揃ってるし(笑) 昔は曲数あるのにまだバズってないって良くないんかなとかマイナスに捉えてるときもありましたけど、今はもうそんなんちゃいますし。
曲作るペースも、USのラッパーと遜色ないレベルに持ってくってのは意識してますし。むしろ曲作ってへんと落ちてくるんで…かつMCバトルは自分的にはもうやらないんで(笑)、これで上がっていきたいと思います。あとはラップスタア誕生とかも…2022年の応募が始まるまでに売れ切ってへんかったら、本気でかましに行こうかなと思います。
─USのラッパーも「あいつは才能あるのにlazyだ」って言われちゃう人とかいますけど、Watsonさんは曲作りのモチベーションを高く持ってるのは改めて凄いですね。
Watson:
作り続けられること自体ひとつの才能っていうか、強いとこやなってのは最近めっちゃ感じるようになってきました。もちろん行き詰ったりすることもあるっすけど、毎日作り続けてると…。あとは、自分の中で「ええ言葉出てくるのにイマイチやな」みたいな日は、その日の2番目に作った曲がめっちゃ良くなります。なんなんやろ、あれ。1日の最初の曲はウォームアップ的な感じになるからなんか知らんけど…。でも、だからこそ続けるのが大事なんやなって分かってきたっていうのもありますね。1曲目で止めちゃってたら他のみんなと変わらんくなると思う。
─じゃあ、今後も作り続けるペースは変わらないと。
Watson:
ああもう、今年中に最低3枚は作品出したいですね。別に曲数的には全然いけるんで、あとは資金の話だけです。やっぱり制作周りの…スタジオ、Mix, Masteringとか、その辺を意識してクオリティ上げてきてますし、それに必要な資金を調達する、それだけです。
まずは次のミックステープ『FR FR』が3/21(火・祝)にリリースです。とりあえず聴いて貰えれば分かるので、マジでよろしくお願いします。
─ありがとうございました。
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2022/03/14
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▶Interviewed by LilPri (https://twitter.com/LilPri_)
作品情報:
Tracklist:
1.zzz (feat. Nero)
2.18K
3.I know
4.wo
5.Look
6.Beans
7.pull (feat. smiley)
Artist:Watson
Title: Thin Gold Chain
2021年11月23日リリース
Stream: https://linkco.re/bmMH1v3b?lang=ja
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