追悼・OSUMI a.k.a BIG-O:SHAKKAZOMBIE全作品解説 by @K_EG
SHAKKAZOMBIEは、BIG-O a.k.a. OSUMI(MC)、IGNITION MAN a.k.a. HIDE-BOWIE(MC)、TSUTCHIE(TM)からなる3人組のHIPHOPグループだ。最近日本のHIPHOPを聴き始めたという方であれば、このグループ名自体を聞いたことがないかもしれない。なにせグループとしての主たる活動は、90年代前半から00年代前半にかけてであり、その頃から約20年もの月日が流れてしまっている。しかし2021年2月、グル-プのMCであり近年ではファッションブランド・MISTERGENTLEMANのデザイナーとして才を発揮していたオオスミタケシ(BIG-O / OSUMI)の訃報という、大変残念なニュースが伝えられた。この知らせを受けてSNSやメディアを介して関係者やファンの口々から語られた故人の音楽、人柄、エピソードがポジティブなもので埋め尽くされており、寂しい気持ちに包まれつつも、多くの方にとってBIG-OというMCが如何に素晴らしいか、SHAKKAZOMBIEというグループが重要な存在だったかを再認識することとなった。
今回は私が触れてきたシャカ名義での作品や、客演物の一部を切り取りつつその軌跡を辿ることで、憂いに満ちた中ではありつつも、この件をきっかけに”SHAKKAZOMBIE”という名前を初めて知り、少しでも興味を持った方の次の一歩を進める足掛かりになればと思う。
あなたとSHAKKAZOMBIEとの出会いはいつだっただろうか。
それが例えいま、これからでも遅くはない。本稿では筆者の私的な体験を織り交ぜつつ、SHAKKAZOMBIEの全主要作を解説していく。彼らが遺した功績、そしてその魅力が少しでも伝われば幸いだ。
{CREATION REBEL}THE BEST OF CUTTING EDGE HIPHOP 1995-2000
いきなり私的な回顧から始めたいと思うが、ECD主催の伝説的イベント・さんピンCAMPが行われた4年後の2000年、私はSHAKKAZOMBIEというグループにこれといった感情を抱いていなかった。
当時の私はKING GIDDRAやZEEBRAが率いるUBGの面々、TWIGY, RHYMESTERなどといったアーティストのレコードを好んで聴いていたが、シャカは12インチで『SHAKKATTACK』, 『手のひらを太陽に』, 『虹』と、“FIVE / LIFE ft. SHAKKAZOMBIE”を収録したSUIKENの『SATURDAYNIGHT MONGOL』辺りをなんとなく購入していたものの、聴くとしても“共に行こう(Version Pure) feat. GORE-TEX, SUIKEN, DABO, MACKA-CHIN”くらいのものであったと記憶している。
しかし、当時の友人から「いろんなHIPHOPの曲が入っているCDだから聴いてみる?」と、このコンピレーションアルバムを借り受けたことで、これまでの考えを改めることとなる。
このアルバムは、当時HIPHOPを推進していたavex傘下のレーベル・cutting edgeからのリリース作を纏めたもので、ECD(2018年に逝去), BUDDHA BRAND, YOU THE ROCK★, K DUB SHINE, キミドリ, HACという時代を彩ったアーティスト達の楽曲を一枚でチェックすることができるCDだった。
当然既に聴いている作品もあったが、そこに名を連ねていたSHAKKAZOMBIEによるキミドリのカバー楽曲、“白いヤミの中(Version SZ)”に度肝を抜かれることとなる。
歪んだギターの音が勢いに乗った2MCのラップと融合して攻め立ててくる感覚は、今まで聴いてきたシャカ作品とは明らかに異なるベクトルのカッコ良さを感じ、既にリリースされていた過去作を聴いてみたいという衝動に駆られ、次の週には既にリリースされていた1stアルバム『HERO THE S.Z.』, 2ndアルバム『JOURNEY OF FORESIGHT』, リミックスアルバム『S-SENCE 2000』を町田のdisk unionで買い揃えていた。
HERO THE S.Z.
(*現行の上記サブスク版は、収録楽曲がCD版より大幅に削られている)
これまで音源では1995年リリースのシングル『SHAKKATTACK』, SLY MONGOOSEの前身となるCOOL SPOONに四街道ネイチャーやキミドリのKURO-OVIと共に参加した“UGLY YOUTH THINKING ELEGANT GIRL’S THINKING(ILLICIT TSUBOI REMIX) feat. TRF CREW”への客演などでしか二人揃った声を聴くことができなかったのだが、1996年のシングル『手のひらを太陽に』のリリースを足掛かりに、1997年発表されたシャカの記念すべき1stアルバムがこの『HERO THE S.Z.』である。
シングル収録曲をリメイクした“FACE YOUR HAND TOWARD THE SUN”, “明日のため”や、アナログカットされた“虹”, “共に行こう”, 前述したNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの面子による初期作、“共に行こう(Version Pure) feat.GORE-TEX, SUIKEN, DABO, MACKA-CHIN”の他、次の年にリリースされたBUDDHA BRANDのDJ MASTERKEYによるcutting edgeレーベルのHIPHOP作品のみで構成された公式MIX CD『FAR EAST COASTING』に同じくブッダのDEV LARGEをフックに迎えて新録された“WHO’S THAT? a.k.a. LIVE feat. DEV LARGE”の原曲となる“WHO’S THAT?”と、魅力的な楽曲が並ぶ。
そして多くのヘッズからシャカのベストソングに挙げられるクラシック、“空を取り戻した日”に耳を奪われる。
BIG-Oのソロ曲である本曲は、不安や孤独に押し潰されそうになった経験がある人間なら、誰しもが共感し力を与えてくれるであろう楽曲。「生まれて初めてみた鮮明な希望 それは強い心に秘められた野望」とBIG-O自身が暗闇から抜け出した瞬間の描写に続き、「無限に広がる青い世界へ逃亡 今本当の空へ飛ぼう」と紡ぐ。
これはこれを聴いた苦しい思いをしているリスナーへ、新しい世界へ踏み出すその背中を押してくれるかのようなリリックだ。
また、アルバム全曲がTSUTCHIEプロデュースという本作の中、この曲のみ「TSUTCHIE & OSUMI」とクレジットされている。
(この曲は翌年、BIG-OがOSUMI名義でリリースしたソロアルバム『control(the spiritual matters)』に収録されたクラシック、“NO LIMIT”と地続きの楽曲であり、こちらも是非とも聴いてほしい)
全体としては90年代のオーセンティックなビートが多い中、ホラーコアな“Z.O.M.B.I.E.”, “虹”など、当時の他アーティスト作品からは感じたことのない質感をこの頃から聴くことが出来る。
きっと本作で、当時のシーンは新たなヒーローの登場を予感したのでは、と当時の空気に思いを馳せる。
JOURNEY OF FORESIGHT
1999年にリリースしたシングル『BIG BLUE』から短い間隔で同年発表された2ndアルバムで、筆者が度肝を抜かれた“白いヤミの中(Version SZ)”収録作。
先ずはこのジャケットに強い印象を持った方も多いのではないだろうか。
シャカの面々が西遊記の登場人物に扮し、それぞれ猪八戒=BIG-O、孫悟空=IGNITION MAN、沙悟浄=TSUTCHIEと特殊メイクで挑んでいるが、この写真を使ったアートワークを見るためだけにでもCDを手に取ってほしい(特に歌詞カード内の写真)。
幻想的な深海を漂うようなビートが聴く者の耳を深く奪う、先行シングルにもなった“BIG BLUE”は一聴の価値あるクラシックだが、このアナログレコードは懸賞オンリーで、シングルCDを購入した人のみが封入された応募券で当てることのできる一枚。
出された数は500枚とそれなりに多かったものの、2000年当時はかなりのレア盤となっていたこともその人気を伺わせる。
他にもアナログカットされた“SZ BURNING feat. ILLICIT TSUBOI”や、“共に行こう”に引き続きニトロの面子をフックアップした、恐らくXBSの正規音源デビュー曲ともなる“64 BARS RELAY feat. DABO, XBS, SUIKEN”という人気作や、ジャジーでスムースな“IT’S LIKE THAT feat. LORI FINE”, “WARM OR COLD feat. SAIKOLEE TSUKAMOTO”などどこを取っても新しくカッコ良い。
この作品を聴いた最初の印象は「音が明らかに違う」だ。
前作『HERO THE S.Z.』に垣間見た質感が本作で全体を覆うようになった感覚を抱いた。
ビートに組み込まれる楽器やその他の音が機械的でありながら、それが全くチープに響かずただただクール。
今まで私が聴いていたHIPHOPの世界が如何に狭い場所であったのかを痛感し、I GOT STYLEを果たしたシャカというグループに更に惹かれていく。
S-SENCE 2000
2000年にリリースされた彼らの初となるリミックスアルバム。
これまで発表された『HERO THE S.Z.』, 『JOURNEY OF FORESIGHT』収録曲のリミックス作品を纏めた一枚。
リミキサーとしてDJ SPINNA、D.O.I.、DJ HAZIMEの他、4HERO、BACK DROP BOMBなどと参加メンバーは多岐に渡る。
まずはそもそもこのCDを物としてみてほしい。
透明なプラケースと中のCDを遮る歌詞カードや裏ジャケが存在しない。厳密には通常の歌詞カードと比べ四分の一程の幅で折りたたまれたクレジットを確認できる紙は封入されているが、帯に隠れてしまい特に意識させられることもない。
このシルバーの上に七色で光り輝くディスク自体を中心に魅力的なジャケットデザインとしてしまうセンスは、MCの2人が1999年よりスタートさせ、長きにわたり人気となったファッションブランド・SWAGGERに通じるものとも言えるだろう。
肝心の楽曲については“KOKORO WARP(BRAHMAN REMIX)”や“IT’S LIKE THAT(MASTER LOW REMIX)”に代表されるバンドサウンドとの本格的な融合と、ドラムの普遍的なかっこよさに飛ばされる“WONDER WORKER(FORCE OF NATURE REMIX)”、無機質な音が東京ストリートの匂いを漂わせる“64 BARS RELAY(DJ WATARAI STREET REMIX) feat. DABO, XBS, SUIKEN”といった硬質なHIPHOPトラックの作品が犇めいているアルバム。
現在の視点から見るとREVOLVER FLAVOURへの合流や、同年リリースされたスリーピースロックバンド・NORTHERN BRIGHTとのコラボシングル『GET YOURSELF ARRESTED』など、次の様々な展開を歩みだすその一歩が詰まった、彼らのディスコグラフィーとしてもかなり重要な一枚とも捉えられるだろう。
関連して、本作収録の“WARM OR COLD(ROPES REMIX)”を手掛けているROPESとは、メンバーのTSUTCHIEとLO-LITEのギタリストでもあるKazuki Sanoのユニットであり、後にリリースされるTSUTCHIEの大傑作ソロアルバム『THANKS FOR LISTENING』への流れを汲む作風のように感じられる。
GET ON DA TRACK
2001年リリースのミニアルバム。
『S-SENCE 2000』に引き続きジャケットがハイセンス。
サイズがDVDのジャケット程の大きさであり、オランダのグラフィックアーティスト、Zedzが手掛けるデザインはCDショップでも一際目立っていた。
この作品を実際に手に入れる前、店頭のTVか流派-Rかで偶然目にした“RIGHT HERE”のPVで、電子音全開な中毒性の高い打込みトラックにストールやバンダナ、光沢が目を惹くジャケットをオシャレに着こなしファストラップを披露する2MCの姿と出会ったのだが、これがとんでもないカッコ良さだった。
当時は私を含め、大部分のB-BOYはXXLくらいのトップスに38インチ前後のデニムでニューエラを被るスタイルを基本としていた時代で、TVの画面に映るそのスタイリッシュな出で立ちのなにもかもが新しく映った。
その他の収録曲も大神以来の共演となるブッダのNIPPSを迎えた“FIRST TOUR feat. NIPPS”, ニトロのS-WORDとの“カモフラ feat. S-WORD”も近未来感溢れるハイファイサウンドで、この作品のコンセプトを確固たるものとしてくれる。
それぞれの楽曲を、盟友DJ WATARAI、キミドリからクボタタケシ、伝説的なアーティストJay Dee a.k.a. J Dillaという面々がリミックスした作品を収録しており、こちらも見逃せない完成度となっている。
余談だがちょうどこの頃、HIPHOPを聴いているという人間と初めて音楽の話をする際、先ず「SHAKKAZOMBIE好き?」という質問をするほど、一定の好き者を確認する上で試金石的となるアイコンになっていたように思う(私見)。
THE GOODFELLAZ
2001年に『SO TIGHT,SO DEEP』という名曲をシングルリリースした後、2002年に満を持して発表され、グループとしてのラストアルバムとなった3rdアルバム。
参加メンバーはアルバムタイトルに相応しく多くの仲間たちに彩られ、正に無数に夜空に輝くスター達が名を連ねている。
HIPHOPサイドからはニトロの面々にMICROPHONE PAGERのP.H.、DEV LARGE主宰のEL DORADO RECORDSに所属していたLUNCH TIME SPEAX、FLICKのKASHI DA HANDSOME、仙台の夜光虫。
ミクスチャーサイドよりBACK DROP BOMBのSRSAHNN a.k.a. 白川貴善に加え、80年代から90年代中盤まで活動していたHIPHOPシーンとバンドシーンとをクロスオーバーした先駆け的存在、GAS BOYSがまさかの参加。
これはメンバーの今井タカシがスニーカーブランド・MAD FOOT!のディレクターを務めていたことからも、ファッション業界繋がりで実現した復活コラボと読み取ることができる。
その他、当時ファッションブランド・MACKDADDYの関係者であったBINGO(HABANERO POSSE)とMARTIN-KINOO(CHELSEA MOVEMENT)の参加など、これまでの活動で足を踏み入れた様々な場所で出会った同志達が結集した特別な作品と言える。
特筆すべきは先行シングルとなり、T.KURA主宰のGIANT SWING PRODUCTIONS所属のシンガー、MICHICOが参加した”SO TIGHT,SO DEEP feat. MICHICO”。
オリジナルトラックで使用されているギターはSSW / ギタリストでもあるSaigenjiによるもの。当時のインタビュー記事を読んだ記憶では、スタジオでSaigenjiに即興でギターを弾き続けてもらい、その録音物からフレーズを切り貼りして作成されたビートとのこと。
このSaigenjiもMUROのクラシック“El Carnaval”, “Hall of famer”でギターコーラスを担当していたりと日本のHIPHOPにも深く関わっている人物でもある。
また、シングル収録曲であるDJ HASEBE REMIXの高い完成度にも触れておきたい。この二組の相性の良さは同年リリースされたDJ HASEBEのアルバム『TAIL OF OLD NICK』収録の“OLD NICK BLUES feat. SHAKKAZOMBIE”での客演でも実証されており一聴の価値あり。
そしてPV化もされ、本アルバムのラストを飾るハイライト、“IT’S OKAY feat. DABO”でテンションはピークに達する。
ドラマティックなビート上で悠々とライムするシャカの二人と、これまで聴いた全作品の中でもベストバースと認識しているDABOとの相性がどこをとっても最高。
この作品を以って当時の私はかっこいいと言えばシャカであり、シャカといえばかっこいいという稀有な存在の一つとしてのめり込み、SWAGGERの服にホワイトゴールドのプリンプリンを着用しながら、「BIG-O 羽織るM65」と言うリリックを頼りに新しい服を探しにいくようになる。
この後、アルバムからのシングルカットとして、KASHI DA HANDSOMEをフィーチャーした『WHAT U WANT?』(カップリングに参加したキエるマキュウにも注目)がリリース。
翌2003年もライブDJを務めていたDJ HAZIMEがノンストップミックスを手掛けた、渋谷の老舗クラブHARLEM監修のCD『HARLEM ver.2.5 mixed by DJ HAZIME』のイントロ抜け一発目に配備された“Put Ya Handz In Da Sky ft. SHAKKAZOMBIE”へ参加。
BPM100越えの高揚感を煽られるビートに、フックで聴こえてくるコーラスの伸びやかな響きが否応にもエモーショナルな気分にさせるクラシックで、シャカの2人も『THE GOODFELLAZ』からの勢いをそのままにフロウする様は、求めていたシャカ像そのものだった。
更に2004年には本曲のリミックスとして『HARLEM ver.3.0』という続編的な作品に“Put Ya Handz In Da Sky(DJ WATARAI Remix) feat. SHAKKAZOMBIE”が収録されており、こちらもDJ WATARAIによるメロウでありながら刺激的なニュービートでハイクオリティ。
同年、DJ HAZIMEによる待望の1stアルバム『Ain’t No Stoppin’ The DJ』でアウトロ前ラストトラックとなる“DON’T BE GONE feat. SHAKKAZOMBIE”にて再びジョイント。
美しくも物寂しいビート上で「どこにも行くなよ 何故街を彷徨う ずっとここにいろよ この絶やさない炎 どこにも行くなよ」と、2MCで歌い上げるフックは今聴くと涙が出てくる。そして曲の最後、「HIPHOP is Back.」と締めくくられる。
今考えると、盟友DJ HAZIMEの作品で、グループとしての活動にこれ以上ない程美しいピリオドを打ったように感じる。
ただやはり、本音を言えばもっと多くの楽曲を産んでほしい気持ちが強かったのも確かだ。
それは2015年、惜しくもこの世を去ったブッダのD.LことDEV LARGEの追悼イベント・D.L PRESENTS HUSTLERS CONVENTION NIGHTにて、何年振りかというシャカの二人がマイクを持つ姿をみせてくれたことにも強く影響されている。
ブッダとシャカといえば、前述したさんピンCAMPの際に実現したスペシャルユニット、大神でECDを含めた“大怪我”で共演を果たし、更にはDEV LARGEのEL DORADO RECORDSにBIG-Oが参加、その他この文章でも触れている通り、折を見て双方が関連する楽曲をリリースしていた間柄である。
このイベントでは、その“大怪我”がパフォームされるという話が事前に出回っていたのだが、数年マイクを握っていないであろうシャカについては、正直二人の揃う姿を見られるだけでも嬉しいという心持ちで、特にライブの完成度などを期待せず足を運んだ。
そして大神のライブをほぼ最前列で観た時、その思いは天まで飛んで行ってしまった。
二人とも超現役。
IGNITION MANの小気味良いテクニカルなフロウは音源そのままに、BIG-Oの発するライムは地球がぱっくり割れる声量で繰り出されるものだから、そのやばさたるやたまったものではない。
現場にいた一人の感想としては、二人がラップし初めた瞬間の「久し振りにラップが聴ける!」という歓声から、即座にブランクを一切感じさせないその在りようへの歓声に切り替わる熱気に何ものにも代え難い高揚を覚えた。
そこから3年、2018年にはMONDO GROSSOのアルバム『Attune / Detune』収録曲として発表された“One Temperature feat. BIG-O”のMVが発表されるサプライズを最後に、彼の新しいバースを聴くことは叶わぬ夢となった。
この楽曲でのBIG-Oも、2000年代にみせた素晴らしいラッパーぶりを存分に発揮し、世界を揺るがせていたが、2015年の衝撃を覚えていた人々からすれば当然の仕上がりに思うと同時に、レジェンドとして更なる次の展開を望んでいたとも思う。
ここまで──今回は貴重な機会を頂きこの文章を書いてきたが、今この瞬間も改めてシャカの残した色褪せることのない作品達を聴き、様々な感情に心を揺らしている。
これから聴く方からすれば、必然的にここに書き連ねた私情の成分を有せず聴くことになる。
しかし、それでも心に響く作品、側面がどこかに必ず存在するグループであると信じている。
ただ昔の名曲を学ぶだけでなく、これからSHAKKAZOMBIE, BIG-O, IGNITION MAN, TSUTCHIEの音楽に触れること。
ただそれだけを、心から楽しんでもらいたい。
───
2021/02/14 Text by K.EG (Twitter)
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