Column/Interview

Minchanbabyほど時代と共に変容し、常にその先端にポジションするHIPHOPアーティストはそういない。韻踏合組合としてキャリアを始めた頃からのライミングも武器としつつ、いち早く現行サウスビートを取り込んだ『after school makin’ love』(2007年)、フリーダウンロード全盛期の空気を吸収しヴァーチャル感を推し進めた『ミンちゃん』(2012年)、ディープサウスとコンシャスの邂逅を果たした『たぶん絶対』(2017年)…。同時にDAOKO, Lil Yukichi, AKLO, week dudusら各時代の才能をいち早くかぎ取りフックアップしてきたその目は、常に時代のエッジを切り取ってきた。

そしてその慧眼が今回新たに選んだのが、プロデューサー・Rhyme Tubeと共作し客演を迎えたシングルを第5弾まで配信する企画。第1弾の相手としてGokou Kuytを選んだこの企画で、Minchanbabyが目指すものは何か。そして彼の目から見て、各時代やコロナ禍を受けた今のシーンはどう映るのか。

「この情勢下で、アーティスト全員が根本的に問われたと思うんです。『お前は何がしたいのか?何をする人なの?』って。家にいたからってずっとゲームしてた人は『そういう人』だし──そんな中で『俺はラッパーで、曲を作る人なんだ』という答えを持った」





登場するアーティスト(順不同):
100gecs, STARKIDS, lil beamz, 4s4ki, week dudus, vio moon, Rhyme Tube, Gokou Kuyt



逆に言うと、2020年に1曲も出さへんかったラッパーって…どうすんの?って。



─いきなり大きい質問ですが、コロナ禍で活動に変化はありましたか?
 2020年のMinchanbabyさんは、”eat you up”を始めシングル中心のリリースとなりましたよね。
 
Minchanbaby:
自分は元々ライブやりまくるみたいな人ではないので、そういう意味ではあまり影響はなかったかなと。
もちろんいくつか大きいイベントがなくなったりしたことはありますし、ゼロではないんですけどね。
 
むしろ制作面ではポジティブな影響の方が大きかったです。
この情勢下で、アーティスト全員が根本的に問われたと思うんです。
「お前は何がしたいのか?何をする人なの?」って。
 
家にいたからってずっとゲームしてた人は「そういう人」だし、SNSで文句言ってばかりの人は本質的にそういう人なんだと思う。
そんな中で「俺はラッパーで、曲を作る人なんだ」という答えを持ったので、ちゃんと曲を作って世に出す、シングルサイズで出来たものからポンポン出していくスタンスでやろうと思いました。
 
しかも、曲自体はご時世無視のとにかく通常営業でやろうと思って。
例えばこの情勢や社会問題を重く捉えて曲に出す、みたいなことはせず、本当にいつも通りのものを出そうと思ってました。
だから2020年は、いつも通りの曲がいつもより多く出せた年だったと思います。
このご時世じゃなければこんなにたくさんリリース出来なかったんじゃないですかね。
それは別に家にいて暇だったからとかいうことじゃなく、問われたものに対する答えとしてそうなった。
 
だから逆に言うと、2020年に1曲も出さへんかったラッパーって…どうすんの?って思います。
もちろんこれはラッパーに限った話だけじゃなくて、全人類、2020年に何を考えてどう動いたか、どう生きたか、っていうのは今後を左右するんじゃないかと思いますね。
もう少し別の言い方をすると、2020年頑張った人は今後良いことがあるんじゃないかなと…それは自分も頑張ったから何かあれば良いなと思ってるっていうのもありますけど。
 


─なるほど、かなり意識的に制作に振り切ってたんですね。
 その一連のリリース作品の中でも”NIZICORE” “来ないンゴ”の2作は『ミンちゃん』(2012年)の頃のヴァーチャル感にも通じるビートでしたが、そんな意識はありましたか?



Minchanbaby:
あの2作についてはいわゆるハイパーポップな流行りを意識してやった作品ですね。
100gecsとかが分かりやすい例かな。
だからアニソン的な流れとは別で、エレクトロやトラップを経由してレイヴっぽい音に到達したみたいな。
それが広がってる兆しを感じてたので、自分もあの流れでやり過ぎたくらいのやつをやろうと思いました。
振り切ってるので、自分くらいのをやる人が今後増えるとは全く思ってないんですけど笑
 
日本でも4s4kiさんの最近の作品とかはこの辺ど真ん中の曲をやってると思いますし、日本のHIPHOPでもlil beamzさんとかSTARKIDSさんはその辺のビートを使ってますよね。
だから4s4kiさんの曲を聴いて「やられた」と思って、久しぶりに本人にDMしました。


 
─一方でハイパーポップの到達した独特のBMP感、サイケ感みたいなところは、日本だとアニソン的なビート解釈で捉えられることもやはり多いですよね。
 lil beamzさんもアニソン側から入って知らず知らずのうちにそういうType Beatを使っていて、あとからこうしたジャンルを知ったと最近ツイートされていて。

 
Minchanbaby:
そうなんですね。
自分としては、日本人としてそういう解釈・アプローチは全然あって良いんじゃないかと思います。



ハイパーポップの持つ、やけくそなハッピー感みたいなものが刺さった。


 
─近年の活動も一旦総ざらいさせて下さい。
 『ひとりのテロリズム』『都会にまつわるエトセトラ』(共に2018年)というディープサウスで内省的、かつ夜の心象風景を描き出すところから、『Kylie』(2019年)でかなり作風が一変しました。

 テーマはあくまで一人称の、時折自殺願望も見える自身の現状を受けたものですが、歌い上げ方とビートの雰囲気がどこか牧歌的、見ようによっては投げやりにも聴こえる作品になっていた気がします。

 
Minchanbaby:
そうですね、『たぶん絶対』(2017年)の路線からはまた変わりました…まあ単純に、あんなんずっと聴かされてもみんなしんどいでしょ笑
「死にたい」とか思う・思わないは別に自由だと思うんですけど、最近は「思うのはともかく、別に外に言わんでもええやん」って思うようになったんですよね。
『たぶん絶対』の流れのときは、そういう思いもカッコ良くラップすればありなんだって考えでしたけど、今はもう「思っとくだけにせえや」っていう感じに変わってきて。
 
それはSNSでも政治や世の中に対してごちゃごちゃ言うみたいな光景をずっと見続けてきたこともあって…。
そういうのを見ると自分も気持ちが落ちるんですよ。
だから「もうそんなんいちいち言わんでいいやん」って思いが出てきて。
だから別に日常が超絶ハッピーだから”NIZICORE”みたいな曲を出したのかって言われると違うんですけど、「別に曲まで暗いことせんでええやん」ってところです。
 
そんな時だったので、”NIZI CORE”や”来ないンゴ”のときは、ハイパーポップの持つやけくそなハッピー感みたいなものが刺さったんですよ。
あのジャンルの曲って色んな思いがぐちゃぐちゃに混ざって、結果選んだ表情が笑顔だった、みたいな雰囲気がある。
だから”NIZI CORE”とかは、色んな思いをぐちゃぐちゃに混ぜたから結果カラフルです、ってことなんですよね。



フリーダウンロード期のブームは、「いい思い出」以上のものにはならなかった。



─なるほど。
 『Kylie』の後はweek dudusさん, vio moonさんと組んだ『Threesome』(2019年)など、若手とのジョイントがありました。
 元々Minchanbabyさんはフリーダウンロード全盛期(2009-2014頃)にもGirls’n’Boyzで色々なMCとジョイントしたり、HIGH5やYoung Yazzyさんとも繋がったりと、良い意味で無軌道にコラボレーションしていました。

 ただ、あの頃の「ネットを使って繋がる」ことと、今のそれでは意味も違ってきている気がします。

 
Minchanbaby:
あの時はやっぱり「ネットで曲を発表してる」っていうことが他者との差別化になったり、他の人にはない要素を取り入れるツールになってました。
SNSもあって現場とネットは繋がり始めてはいたけどまだ一部の人のものって感じがあって、地続きじゃなかった。
現場そのものとは別に「ネットでフリーミクステを出してる界隈」みたいなシーンが一瞬あって、その中にはチェリー(Cherry Brown, 現在のLil Yukichi)やAKLOさん, そんな中に世代が違う自分も入れてもらっていて。
 
でも今はもう完全に繋がってるじゃないですか、現場主義みたいな人でも当たり前にネットを駆使して発信するっていう。
だから今のネットは、差別化要素じゃなくてただの入口ですね、DMを送って繋がる為のツール、みたいな。


 
─結局あの5年くらいのフリーダウンロードブームって、何だったんでしょうね。
 もちろんAKLOさん, Cherry Brownさん, tofubeatsさんなど有望なアーティストがたくさん排出された訳ですが、日本のHIPHOP史においてあのムーブメントが何の役割を果たしたのか、まだ整理がついていないように思います。
 
Minchanbaby:
自分はあの流れがあって、そこに何か新しい居場所みたいなものが出来ると思ったんですよ。
ネットラップや二次創作、アニメ、サブカルみたいなポップカルチャーがぐちゃっと混ざった磁場が出来上がるのかなと。
例えば韻踏合組合がフリーダウンロードで発表した”前人未踏”のREMIXを、それまでだと考えられなかったような二次創作の方たち…The LASTTRAKみたいな人たちが手掛ける、みたいな。
 
でも時間が経つと、意外とみんな元いた場所に帰っていった。
それはサブスクの台頭とかとは関係なく、もっと前に起こっていて…二次創作の人は二次創作コミュニティに戻って、ゴリゴリのHIPHOPの人はそっちの村に戻って…あとにはなんか誰もいない、ちょっとだけ水の撒かれた土地が残ったみたいな。
 
自分はその磁場の空気を全部グワッと吸い上げて新しいものを出すって意識で(自身をヴァーチャルキャラに設定した)『ミンちゃん』(2012年)を作ったんですけど、たぶんちょっと遅かったんですよ。
作ってる間にみんなの実家帰りが進んじゃった。
 
だからあの数年間はバーッと盛り上がったお祭りであって、「楽しかったね」くらいでしか振り返ることもなく、ちゃんと語る人も誰もいない時代になっちゃったんじゃないかと思います。
つい最近の歴史だし、めちゃくちゃ盛り上がったはずなんですけどね。
もちろん羽ばたいた人はたくさんいるし曲は残るわけですけど、「場」としては何も残らなかった気がします。
「いい思い出」以上のものにはならなかったですね。
 


自分はもうイントロからスキップしつつヴァースの入りくらいまで聴いて、「これは自分向けじゃないな」と思ったら次にいく。



─Minchanbabyさんは以前も今も感度の高いアーティストと繋がり続けてる訳ですが、フリーミクステ期と今ではその意味も違うんでしょうか。
 
Minchanbaby:
違いますね。
フリーミクステの頃って、感度の高い人たち同士が互いにアンテナをガンガン立ててお互いに聴き合う状態で。
だから自分もアンテナを張って、相手のアンテナを目指して進んでいけば面白い音と出会えた。
 
でもみんながみんなネットに接続された今の状況にあるのって、めっちゃ広大な土地が広がって、そこに大量にアーティストがいるんですよ。
その中から自分に合う人を手探りで探していかなきゃいけない。
中には全然自分で発信してない人もいたりして、そういう中から選び抜く、そういう世界になってきたと思います。


 
─なるほど。
 そんなシーンになってもMinchanbabyさんはイケてる若手とドンピシャで共演し続けている訳ですが、どういう風に見つけてくるんですか?
 
Minchanbaby:
めちゃくちゃディグってるって訳ではないんですけど、YoutubeでMVをチェックすることが多いですね。
MVはトップページのオススメに出てきたものを見ることもありますし、SNSで見つけたものをキープしといてあとで一気にチェックし返すこともあります。
 
で、こういう言い方するとアレですが、MVを見て「自分に合ってるかどうか」「このMVは最後まで見ようかな」みたいな感覚って、最初の4秒くらいで分かるんですよ。
YoutubeってPCだとLキーを押すと10秒スキップ出来るんですけど。
自分はもうLキーに指を置いて再生して、イントロからスキップしつつヴァースの入りくらいまで聴いて、「これは自分向けじゃないな」と思ったら次にいく、みたいな感じで聴いてますね。
だからディグってほどのものじゃなくて…自分に合うものだけを漁り続けてる感じです。
 


─week dudus, vio moonさんとの『Threesome』もそういう「ディグ」から繋がったんですか?
 
Minchanbaby:
そうです。
2人がちょうど同じくらいの時期にMVをそれぞれ出してて、面白いなと思って。



で、week dudusさんとvio moonさんが仲良いみたいなのは聴いてたので、DMで「MV良かったです、一緒に曲やりませんか?」って声を掛けて始まりました。
もちろん自分の曲も送ってますし、フィールした上でっていう大前提でですね。
 
このEPの制作は全部DMやLINEのやり取りで作り上げました。
別に会いたくないとかじゃなくて、作業として別に会わずに完結出来るじゃないですか。
スタジオも一緒に入る必要ないし。
だから当時言ったのは「week dudusさんとvio moonさんは一緒にスタジオ入っていいよ。でも俺のときは来んといてね」ってことで。


 
─自分のRECの時に他のラッパーにいて欲しくない?
 
Minchanbaby:
はい、自分は…他の人が自分のあとに録るとかってなると気を使っちゃうんですよ。
あとの人が「こいつはよ終われや」「まだやってんのかよ」みたいに思ってないか気になって、自分のVerseにまだ納得がいってなくても「もう大丈夫です」って言って妥協して切り上げちゃう。
そういう曲をあとで聴くとやっぱりダメだなってなったり、曲自体を嫌いになっちゃったりするんで。
だからちゃんと納得いく曲を作るための方法でもありますね、別に会わずに作れるならそれで良いじゃん、っていう部分もありますけど。
 
だからweek dudusさんとvio moonさんとも、EPのリリースパーティーで初めて実際に会いました。
図書館では周りの目が気になるから家で勉強したいタイプなんですよ、まあ性格でしょうね。
 


─そしてこのEPのあと、2人とも 羽ばたいていきましたね。
 
Minchanbaby:
俺がいつも冗談半分、本気半分で言うことがあるんですけど、俺が「良い」と思って共演した人たちって、確実に俺より売れてくんですよ。
だから今回も俺の目に狂いはなかったなと思います。
過去でもCherry Brown (=Lil Yukichi)もそうやし、AKLOさん、ジメサギ、DAOKOさん、haruru犬love dog天使さんとか…。
 
俺ってそっちのA&Rというか、裏方みたいなこともやりたいんですよね、でも今はまだ現役でやってるので出来てないですが。



日米ともに何がトレンドかってことは押さえてるので、自分がその中心線からどう外して新しいことやれそうか、というのは模索してます。


 
─フレッシュな若手を見つけ出す慧眼はMinchanbabyさんの特徴ですよね。
 それは普段聴く音楽で養われるセンスだとも思いますが、どういう音楽をインプットしてるんですか?
 
Minchanbaby:
自分は毎年noteに年間ベストを載せてて(2020年版)、それ見ると分かるんですが、ここ数年くらいでUSのHIPHOPを聴く比率はどんどん減ってるんですよ。
今年は更にその傾向が進んで…USのHIPHOPはもはや、自分がどういう曲を作りたいのか、どういう曲がトレンドなのかっていう観点でしか聴いてません。
あくまでリソースとして聴いていて、楽しんで聴くものではないですね。
前まではもうちょっとUSシーンで推しの人が何人かいて、この地域が熱くて好き…みたいなのがありましたけど、今ではもう全然言えないですね。
 
USはちょっともう似たような曲が増えすぎて、母数もめちゃくちゃいるんで。
めちゃ凄いMVはいくつかあるのでそういうのは押さえますけど、仲間と街歩いて銃見せつけて…みたいなMVはもうええかなって。


 
─US HIPHOPを聴く量が減ったぶんの時間は何を聴く時間に充ててる?
 
Minchanbaby:
あくまで自分の好きなものを聴く時間に充ててますね、それこそアイドルの曲なこともありますし。
別にUSも日本のHIPHOPも、さっき言った通りスキップしながら聴いてるので、別にその分の時間を日本のHIPHOPのディグに使う訳でもないです。
ただしそうやって掘ってく中で、引っ掛かることが多いのは日本の方かな、という感じはあります。
 
でも逆に言うと日米ともに何がトレンドかってことは押さえてるので、自分がその中心線からどう外して新しいことやれそうか、というのは模索してます。
その意味で日米HIPHOPはあくまで自分がアーティストとしてどう「外していくか」を知るためにはかなり役に立ってると思いますね。
自分に還元するためなので、悪い言い方をすると立ち読み的に聴いてる感じです。
その中でグッとくるものがあったら掘り下げていくと。
 
一方で純粋に楽しんで聴いてるのはUKハードコア、J-COREとか、最近はMakinaですかね。



Rhyme Tubeさんとの今回の企画は、「この曲はいつものMinchanbabyらしくない」と言われたら成功。


 
─そして最新作”Our Song”ではRhymetubeさんと組むことになりました。
 しかも客演にGokou Kuytさんで…このきっかけはなんですか?
 
Minchanbaby:
RhymetubeさんとはこれまでにEPに客演させてもらったりしてて、繋がりはあったんです。
それからもちょくちょく「こんなの作ってみたんです」ってビートを聴かせてもらったりしてて、めちゃくちゃ良いビートだってのは分かってたんです。
でも、自分が乗るタイプのビートなのかっていうとまた違う感じがあって、自分と合うかは分からなかったんですよ。
 
で、それとは別にずっと「全曲客演付き」みたいな作品を作りたいとは考えていて、そんな中でGokou Kuytさんとも互いにフィールしてました。
ただGokou Kuytさんと自分もまたスタイルが違うので、一緒にやるとなると「どっちがどっちのフィールドに行くの?合うの?」みたいなところもあって…中々具体的な話にはなってなかった。
 
そんな時にじゃあこれらを全部くっつけてみたらどうやろと思ったんです。
「自分とGokou Kuytさんの間の架け橋にRhymetubeさんのビートを持ってくる」って発想で、やってみたらこれがめちゃくちゃハマった。
そしてGokou Kuytさんに限らず、これから呼ぶゲストたちと自分の仲人としてRhymetubeさんに入ってもらう。
今回の企画はそういうコンセプトです。
 
だから「Minchanbabyの曲をRhymetubeが全部プロデュース」って体裁じゃなくて、Minchanbaby & Rhymetubeっていう両名義にしたのもそういうことですね。
 
で、いざやるとなったら、細かいテーマとか擦り合わせる前にGokou Kuytさんから速攻でプリプロが送られてきて。
「もう録っちゃいました、全然世界観が違ったら録り直すので言って下さい」って言われたんですけど、聴いてみたらめっちゃ良かった。
だからこの曲は、Gokou KuytさんのVerseを聴いてから世界観を膨らませて作りました。
雰囲気的に「2人で頑張っていく、大舞台を目指す」ところから漫才的なノリにしたり、一方でGokou Kuytさんは固有名詞を使ってたりしたので自分はメタファーを使ってぼやかすことでバランスを取ったり。


 
─なるほど…今後もお2人によるシナジーが楽しみですね。
 この企画の今後について教えて下さい。
 
Minchanbaby:
とりあえずこの企画は第5弾まで出ます、全員ビッグネームが出てきます笑
だから「Minchanbabyがまだ知られていない若手をフックアップする」みたいな企画ではないんですよ、ガッツリ組む感じです。
 
そしてこの企画は全曲MVが出ます。
まずは第1弾のMVも出ましたんで観て下さい。




─Rhymetubeさんの音を触媒にしつつ、かなり色んなスタイルの方と交わってる感じですね。
 
Minchanbaby:
そうですね、それがこの企画のコンセプトでもあるので。
要は俺がRhymetubeさんに橋を架けて貰って色んなところに出かけていくっていう。
 
“Our Song”もそうですけど、スタイルウォーズとかじゃなくて互いに共鳴する。
Minchanbabyらしさを削ってでも曲としての統一性を高める、ビートに合ったスタイルを突き詰める…全曲そういう挑戦です。
手を抜いていつもの自分が消えてるってことではなくて、きっちりハードルを設定してるんですよね、各曲とも。
だから「この曲はいつものMinchanbabyらしくない」と言われたら、それが成功だと思ってます。
「ちょっといつもと違う、らしさ消えてる」と言われても、「だってそれを見据えてやったから」が答えなので。
相手がいる以上、TPOを踏まえてちゃんとどう相手と繋がるのか、そこの配慮をしたんですよってことです。
 
でもまあ、実は制作順としては”Our Song”のあとに”Battle Life太郎”や”来ないンゴ”、”NIZICORE”を作ってるので、いつものスタンスが消え去ったわけじゃないので安心して、とは伝えておきます。


 
─この企画のあと、様々なスタイルを身に付けたMinchanbabyが出来上がりそうですね。
 最後に今後の予定を教えて下さい。
 
Minchanbaby:
まずは全曲RAVE路線で固めたEP『R4V3P』をBandcampで発表しました
この作品で、ちゃんと「俺は2020年にこの路線で作品を作ってるからな」っていう足跡というか…マーキングしとこかなと。
だからこのEPは最初、2021年の元旦リリースでも良いかなと思ったんですけど、「2020年に出した」ことに意味があるかなと。
 
 
─常に最先端の先を行く、Minchanbabyさんらしいスタンスですね。
 今後も楽しみにしています、ありがとうございました。



作品情報:

(ジャケットクリックで配信先にジャンプ)

Artist:Minchanbaby & RhymeTube
Title:Our Song (feat. Gokou Kuyt)
Label:Trigger Records


アーティスト情報:
Minchanbaby


2017年から活動を開始。
同年9月 アルバム『たぶん絶対』をリリース。
2018年 2枚のEP『ひとりのテロリズム』『都会にまつわるエトセトラ』をリリース。
2019年 2枚のEP『Threesome』『Kylie』をリリース。
合わせてSoundCloud、YouTubeで意欲的に曲を発表している。

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