Column/Interview

2018年頃からその姿を自身の作品や客演仕事で示しつつも、アーティスト・BFN TOKYOTRILLはいつもその全容を掴ませなかった。Boof Boysの一員として東京の下町ハードコアスタイル全開で登場したかと思えば、初期のEP『Best Coast』でのDIY感ゆえのトリップ性、続く『Toxic Love Songs』では突如ギターを軸に据えたガラージからブルーズまでを横断…。しかもこのどれもがリリースまでの間に空白期間を持っており、その活動の本性を掴ませない。その意味で、今回リリースされた『Best Coast 2』はいよいよフルアルバムでのリリースとなり、「BFN TOKYOTRILLとは何か」、その姿が見えた作品となった気もする。SEEDAを始め同業者からも熱烈な支持を受ける彼のキャリアと魅力とは。これまで見えなかったディティールを掘り起こす。

KOHHを聴いて, 2週間後には日本に引っ越した

─本日はよろしくお願いします。『Best Coast 2』、リリースしてみてどうですか?

BFN TOKYOTRILL:
よろしくお願いします、BFN TOKYOTRILLです。出身はアメリカのピッツバーグで、26歳です。リリースしてから…反応もたくさん貰ってるので逆にあんまり携帯を見ないようにしてます。あんまり多いので、みんなの反応を一気に見ちゃうよりは少し時間掛けようかなって…その代わりヨガや瞑想に時間を使うことが多いですね。前からやってるんですけど、こないだは48分同じポイントだけを見続けてやってました。目を閉じてやるときもありますけど、開けてやるときは机に貼ってるオレンジのテープをずっと見てます。

─マインドフルネス的な。瞑想するとやっぱり違いますか?

BFN TOKYOTRILL:
カルマの縛りから自由になれますね。人間ってやっぱり過去に生きてしまったりすると思うんですけど、瞑想することで、ちゃんと今に集中出来る。コロナ禍以降、自分と向き合う時間が増えた中で自分を見つめて…色々変わりましたね。

─その心境が変わる中で生まれた作品たちもこのあと辿っていきますが、まずはこれまでのキャリアを整理させてください。もともとどのような音楽を聴いていたんでしょう?

BFN TOKYOTRILL:
アメリカではHIPHOPがもちろん流行ってるので、生まれた瞬間からずっと家でもHIPHOPを聴かされて育ちました。小さい頃に聴いたので覚えてるのはLauryn Hill, K-Ci & JoJo, JAY-Z, UGK, 50Cent, Dr.Dreとか…色々両親に聴かされて育ちました。当時はEast Coast, West Coastの違いも分かんなかったし、それで良いと思ってます。ちょうどUGKがJAY-Zとやったり、Dr.Dreが50Centとやったりしてた頃だったので、別に聴くHIPHOPの種類に地域の壁とかない、ごちゃまぜです。中でも特にT.Iとか2Pacとかは名前出すのも躊躇する、神みたいな存在だと思ってます。それがほんとに子供の…9-10歳くらいの頃ですね。

─そうしてすぐに自分でもラップをやりたいと思うようになった?

BFN TOKYOTRILL:
いや、そこから19歳くらいまで、HIPHOPは聴き続けるものの、それまでよりは聴かなくなったんです。その頃にピッツバーグからカリフォルニア州に移住したんですけど、黒人コミュニティから白人が多いコミュニティに環境が変わって。そこでロックとかを紹介されて、そっちを聴くようになりました。ロック以外でも、ブルーズみたいな他の黒人音楽にも出会って…それに比べてHIPHOPを聴く時間は減っていきました。

─BFN TOKYOTRILLさんの音楽性の幅広さの背景が見える気がします。影響を受けたアーティストは誰なんですか?

BFN TOKYOTRILL:
すげーいっぱいいますけど、一番影響を受けたのはQueen’s Of The Stone Ageってバンドです。ラッパーだったらA$AP RockyとかJoey Bada$$, Kendrick Lamar, ScHoolboy Qみたいな、2013年くらいに上がってきたラッパーが多いかな。あとはKOHHとか、この辺りのアーティストを聴いてラップしたくなってきました。

─それからHIPHOPを自分で始めたのはどういう流れだったんですか?

BFN TOKYOTRILL:
当時ロスアンゼルスで一緒に住んでた奴がビートメイクしてて。自分は小さいころからギターやってたのもあって、最初は2人でギターやってたんですけど、そいつが段々ギターじゃなくPCいじるようになって。「何やってんの」って聞いたら「ビート作ってる」って言われて…それで自分もビート作ってみたのが始まりです。だから最初はビートから入ったし、当時はMark Ronsonとか好きだったんで、そういう系統のインスト作ってました。当時は自分でラップする気はなくて、プロデューサーとして成功したいと思ってました。だから色んな歌手を家に呼んで歌ってもらったりしてました。

でも、一緒に住んでる奴と散歩しながらフリースタイルとかしてるうちに段々ラップも遊びでやるようになって…気付けば自分のラップをRECしてました。いま思えばクソみたいなラップでしたけど、それ聴いて「出来るじゃん」ってテンション上がって。いま聴くと全然なんですけど(笑) でもそこで「HIPHOPならバンドなくても一人で出来るじゃん」って思った。

─そこからラップを本格化して…日本に来るまではどういう流れだったんですか?

BFN TOKYOTRILL:
友達との流れで、ロングビーチにいる日系人のハウスパーティーみたいなのに呼ばれたんです。そいつらがKOHHを流してて、それ聴いて「ヤバい、日本語でこんなラップ出来るんだ」って喰らっちゃって。そのあと流れてきたSALUのTOMY時代のアルバムもたまたまYouTubeで流れてきて、それにも「ヤバいじゃん」ってなって。そこから2週間後には荷物まとめて日本に引っ越しました。仕事も辞めて家も片付けて、彼女にもバイバイして、速攻で日本に向かいましたね。母やおばあちゃんも日本人なので、今よりは全然でしたけど日本語も喋れたのもデカかったです。

日本に来てからのコミュニティ形成…Mony Horse, Boof Boys, TYOSiNとの出会い

─すごい行動力…。そこから日本でどうやってHIPHOPコミュニティを築いていったんですか?

BFN TOKYOTRILL:
親戚が足立区に住んでてそこを頼ったんですけど、従妹の旦那さんがラッパーの知り合いがいるっていうんで連絡先貰ってLINEしてみたら、そこで出てきたのが(共にBoof Boysを結成することになる)BFN DWELLSでした。 そしたらあいつがMony Horseと仲良くて。「Monyの家遊びに行こうぜ」って言われて…って感じで、こっちでのラップライフが始まりました。日本語も話せる自分の特徴を考えて、日本で勝負しようって決めたとたんにこういう繋がりが出来たのは幸運でした。でもなんか、引き寄せじゃないけど感じてたんですよ、「日本に行けば何かある」って。そんな感じでみんなと繋がって…だからBoof Boysの最初のMVだった”Boof Boys TYO”とかにはMony Horseも映ってます。

─いきなり熱い滑り出しですね。日本のラッパーは結構聴いてるんですか?

BFN TOKYOTRILL:
いや、全然ですね。日本に来たときはKOHHとSALUしか知らなくて、今も好きな奴をずっと繰り返し聴くって感じで。いまは紅桜がめちゃくちゃ好きです、(BFN DWELLSたちと集まる)綾瀬のスタジオにも何度か来てくれて。あとはレゲエですけど、775は世界レベルのレゲエをやってると思います。とにかく紅桜もだしKOHHもだし、日本語でしか出来ないことをやってる部分に惹かれます。USの真似ならUSの奴聴くし…俺が日本に来たのは日本にしかないものに出会う為なので。

あとはもちろんMonyたちもだし、SANTAWORLDVIEWもですね。SANTAさんはヤバいです。こないだ出たアルバムはヤバかった。リリックも全部メッセージ性があるし、ただの自慢じゃないものが詰まってると思います。通しで聴いても全然飽きない。

─これまで話に出てきたBoof Boysについて、どんな集団か教えてもらえますか?

BFN TOKYOTRILL:
今のメンバーは5人です。BFN TOKYOTRILL, BFN DWELLS(ex. TattsRaw), BFN UTK, BFN RIKU, BFN Knot Fizって感じ。自然に出来た家族みたいな感じですね。下町のラッパーのフィーチャリングとかはしてますけど、EPとか出してる訳でもないし、結構レアだと思います。rkemishiやMontana Joe Carter, Mony Horse, LUCK END CREWとかとたまにやったり…。俺も最初日本に来たときはこの辺の人たちが受け入れてくれて始まりました。俺は最初全然こっちの事情知らなかったんで、「これが日本のシーンなんだ」って思ってたんですけど、だいぶイケてる場所でしたね。

「『Best Coast』のときは欲に呑まれた」

─2018年頃にはTYOSiNさんやTattsRawさん、gardenxoさんなどとの共演を始め、1st EP『Best Coast』に繋がりました。この辺りの状況を教えてください。

BFN TOKYOTRILL:
ネイサン兄さん(TYOSiN)とは最初池袋のBEDで出会って。TattsRawがよくそこでライブしてたので付いてって出会ったんですけど、兄さんも足立出身だって知らず、そのときは普通に別れました。ただそのあとACE COOLと知り合って…彼経由でリンクした感じですね。

ただ『Best Coast』については…このときの記憶結構飛んでて、あんまり覚えてないんですよね。当時は全部がもやっとしてて、気付いたら出来てたみたいな。若いラッパーによくある、欲に飲まれた感じになってて、マインドフルネスが分かってなかった。だからこそこの作品が出来たってのはありますけどね。素の自分が出てる。それもこのときしか出来ないことではあったんですけど、良くなかったと思う。素の自分と「BFN TOKYOTRILL」っていうブランドは別のものなので。当時はそこの境目が分からなくて、混ざっちゃってたと思う。アーティストとしてのブランドで活動するときは、ちゃんとブランドとして動かなきゃいけないと今では思います。このときの自分もですけど、そこの分け方、動き方が分かってない人は結構多いと思います。

─そこから2020年にはサッドコアやブルーズまで、かなり攻めたEP『Toxic Love Songs』が出ました。この作品について教えてください。

BFN TOKYOTRILL:
『Best Coast』以降、2020年の時期までは割と何もしてない、ブラックホールの時期でした。この時期に色々気付かされました。そこから抜け出すきっかけとして出たのが『Toxic Love Songs』です。これを出してまた人生が回り始めた。このときはコロナ禍が始まって少し経って…アーティスト支援のためにTuneCoreがアルバム登録料を無料にするキャンペーンを始めたんですよ。

自分はそのときブラックホールだった訳ですけど、「無料なんだ、じゃあちょっとやってみるか」って思って、家からギター出してきて自分で弾いて作って。だから全曲ギターで始まってるEPになってます。どこまで自分に対して向き合えるか、認めることが出来るか。そういうEPになっていて…その結果、全部フリースタイルで作って、英語がほとんどの作品になりました。

─『Toxic Love Songs』を出して色々変わった?

BFN TOKYOTRILL:
そうですね、これを出してから瞑想とかも始めて自分に向き合うようになって。同時に音楽も続ける中で、(今回の『Best Coast 2』にも参加したプロデューサーである)Koshyとよく作るようになりました。その流れで出来たのが”FTCU”とかその辺の曲です。

BFN TOKYOTRILLをHIPHOPに繋ぎ止めたSEEDA, BACH LOGIC, “D4Y”

─そこから今回のアルバム『Best Coast 2』の制作に至る背景を教えて下さい。

BFN TOKYOTRILL:
この時はSANTAWORLDVIEWとかとも一緒にやったりしながら音楽を作り続けて…そんな中で2020年10月くらいにBACH LOGICさんと出会いました。そこで”D4Y”を作ったことで、結果的に今回のアルバムが動き出しましたね。

この頃はまたラップ辞めてギター戻ろうかなみたいなメンタルにもなってて。そんなときにSEEDAさんが「EP作ってみなよ、BACH LOGIC紹介するからビート聴いてみて」って言ってくれて。”D4Y”はその中で気に入ったビートから出来た曲です。SEEDAさんとBACH LOGICさん、”D4Y”。この3つの要素がなければそのままラップを辞めてたと思います。

─BFN TOKYOTRILLさんにとってSEEDAさんはどういう存在なんですか?

BFN TOKYOTRILL:
天使みたいな存在ですよ。自分で自分を信じられなくなったときにも信じ続けてくれた人です。人生の主人公は自分じゃないですか。漫画とかで主人公がピンチになったときに助けてくれる存在。それが俺にとってのSEEDAさんです。これまで何度かラップ辞めようと思うこともありましたけど、その度に支えてくれましたね。自分はBoof BoysやSEEDAさん、Koshyやラップスタア誕生…色んな人たちにきっかけを貰ってここにいます。

─ラップスタア誕生もその救いのリストに入ってるんですね。

BFN TOKYOTRILL:
これもラップ辞めようかなと思ってた時期の話ですね。SEEDAさんに「ラップスタアってのがあるから出てみなよ」って言われて…当時は全然沈んでたんで適当な動画撮って送ったら、なんか通過して。出てみたら刺激になったし、ANARCHYさんに貰った言葉で目線が変わりました。ANARCHYさんには「英語ばっかで何言ってるか全然分かんない」って言われたんですけど、確かに日本人からするとそうだよなって。そこから日本語が増えました。だから今回のアルバムは日本語がかなり多くなってますし、それはANARCHYさんの影響です。イェスマンばっかりじゃなくて、本当の愛って厳しいことも言ってくれることなんだなと思いました。

─そんな中で出来てきたのが『Best Coast 2』だったと。

BFN TOKYOTRILL:
そうですね、1年くらい掛けて出来てきた感じです。結局全部の曲が出来てから「これはBest Coast 2だな」と思ってタイトルは決まりました。あとから出来た曲を並べてみたら、なんか海っぽい、青色の曲が多くなった。ビートを聴くといつも色が浮かんでくるんですけど、曲やジャケットもその色に合ってる気がします。

─客演にはBFN DWELLSさんのほか、その他にもSEEDAさんやHENNY Kさん、JNKMNさんといった面々が参加してますが、この人選について教えてください。

BFN TOKYOTRILL:
HENNY Kについては、浅草のYDって仲良くしてるラッパーがいるんですけど、その人がHENNY Kがラップを始める前から知り合いで。その流れで同じスタジオをよく使ったりもするので、今回声を掛けました。JNKMNとは…あの曲も録ったのは2年前くらいなんです。このアルバムで一番古い曲ですね。SEEDAさんは…もともとネイサン兄さんと自分でやった曲をリツイートしてくれていて。それがきっかけで繋がって結構長くなります。でも、2人でストリーミングサービスにちゃんと出した曲ってこれまでなかったんですよ。適当に作ったやつをSoundCloudに上げたりとかくらい。だから今回、一緒にちゃんとしたのを作ってみようってなりました。

─そのSEEDAさんとの”HORIGOME YUTO”はKoshyさんも含め、BFN TOKYOTRILLさんに縁深い人が揃う曲ですね。

BFN TOKYOTRILL:
そうですね、最初は俺がビートを作って、そのあとKoshyがビートをいじる形で参加してくれました。最後に音が変わる箇所とかはKoshyの仕事です。彼は曲が一旦出来たあとも何十回も聴き直して調整して…音楽に真剣なんですよ。友達としてすげー大事にしてくれる一方、曲のダメな部分があればハッキリ指摘してくれる。そういうところも信頼出来ます。

─タイトルを”HORIGOME YUTO”にした理由は?

BFN TOKYOTRILL:
これは特に理由ないです(笑) ちょうどオリンピックやってた時期に作ってたのでリリックに自然と堀米雄斗が出てきて。あとで「この曲のタイトルどうする?」ってなったときに、これでいいやって付けました。基本的に先にコンセプトを決めて曲を作るんじゃなくて、録ってみてから考えるので…こういうタイトルの付け方をすることが多いですね。

─HENNY Kさんとの”Shake Tha Block”はかなり振り切った、アンダーグラウンドなパーティーソングになっています。この曲について教えてください。

BFN TOKYOTRILL:
これまでのHENNY Kの曲が割とBPM遅くてドラムがバウンシーなものが多い気がしてて。それももちろんカッコ良いんだけど、今回は早めの音で割と平らなビートにしてみたらどうなるかなって思いました。その結果がこの曲です。

─逆に”PERFECT TIMING”後半でのギターソロや”DEAD OR ALIVE”でのシューゲイザーな嗜好など、かなりTOKYOTRILLさんの幅広さが伺えます。

BFN TOKYOTRILL:
この辺りの曲、特に”PERFECT TIMING”はレッチリのイメージがあります。最初にギターリフが決まったときに、これはそういうノリだなって思った。でも、逆にHOOKの方はLil Peepとかの流れも汲んでるんですよ。ヴァースのループは結構レッチリなんですけど、そのままだとただのレッチリの曲になるので。HOOKで逆にシューゲイザーな雰囲気に落としたことで、他のどこでも聴いたことのないものになってるんじゃないかと思います。

でも、制作順的にはHOOKは1年前くらいに先に出来てて、ヴァースが書けなくてずっとスタックしてました。その合間に日本一周的な旅をして、リフレッシュして、そしたらやっとヴァースも書けて…って感じでしたね。

─中盤の”Moonlight”, “Don’t Cry”のメロディアスなフロウも素晴らしく、スキルの幅広さに改めて驚かされます。

BFN TOKYOTRILL:
この辺りの曲は真冬の時期に作ったので、その環境も影響して寒くてエモい雰囲気になりましたね。”Don’t Cry”の方は元々「PARTYNEXTDOOR feat. Drake Type Beat」として出ていたものなので、なおさらそういうメロディアスな雰囲気は増えてるかもしれません。

ラッパーに必要なスキルアップのメソッドとは?

─ここまでの曲を並べてみても、全部使ってるフロウも違うじゃないですか。BFN TOKYOTRILLさんのスキルは各所で絶賛されてますが、こうしたラップスキルを得るために、普段どのようなインプットを行っているんでしょうか?

BFN TOKYOTRILL:
好きな曲のリリックをビートに乗せてカラオケみたいに繰り返し歌うことですね。声色とかも元のアーティストに似せて、出来るだけオリジナルに近づくように歌う。だから最初は真似なんですけど、これを繰り返すうちに段々自分の声で、自分のフロウになって、自分のスキルとして吸収されてくる。J. Coleとか好きなので、一時期はJ. Coleでずっとこれをやってました。

これは他の音楽でも同じですよね。ギタリストだったらまずはSantanaのギターを真似してみるとか、そういうところから無意識に始めてる。気を付けなきゃいけないのは、この真似の段階で曲をリリースしたりするとただのパクリな奴になるので。外にリリースとして出すのはちゃんと吸収してからですね。自分もGunna聴いてた時期にブース入ったらGunnaになっちゃったとかあるので。それに気付いてから注意してます。それで言うと、あえて言えば”93Baby”とかはYoungBoy Never Broke Againぽいフロウになってるなとかあるかもしれませんね。元は強いて言うとSminoみたいな雰囲気かなと思ってたんですけど。

─BACH LOGICさんビートによる”Babylon”は個人的なMost Favoriteです。とにかく迫力ある曲ですが、この曲について教えてください。

BFN TOKYOTRILL:
これは最初、BLさんが「このビート誰も使わないんだよね」って流してくれて。俺は全然これでヤバいの出来るじゃんって思った。当時は結構「なんでみんな世界の構造に気付かないんだ」って怒ってた時期なんで、リリックもそういう感じになってます。流れとしては(ミシガン州出身のラッパーである)Bonesとかの影響がシャウト気味のフロウを汲んでるかもしれません。彼はLAのアンダーグラウンドでは神みたいな存在として崇められてますね。

─色んなスタイルのラッパーから取り込み自分のものにしていく姿勢が印象的です。

BFN TOKYOTRILL:
逆にそれしかないと思います。ある人だけを追い掛けてそのスタイルを真似しても、絶対にそこには追い付けないじゃないですか。良いものをたくさん知って、自分の中で取り込んで、自分のものにしてくのが大事だと思います。

実は同じことをお坊さんに言われたことがあって。日本を旅してまわってたとき、伊勢神宮の周りをプラプラしてたら路上でお布施を集めてるお坊さんがいたんですよ。俺は別に何も話した訳じゃなかったんですけど、いきなり「君、ミュージシャン?絶対に人の真似で終わらず自分のオリジナルにならなきゃダメだよ」って言われて。「え、なんで分かったの?」ってなりました。振り返るともういなくなってました。

─今回のアルバムは「BFN TOKYOTRILL」がいかにオリジナルかを示す作品になっている?

BFN TOKYOTRILL:
そうです、でもまだまだやれるな、ぶっ飛ばしていけるなと思いますね。まあ、あんまり飛ばし過ぎるとみんな付いてこれなくなるんで。音楽に向き合いつつ、あんまり変態過ぎるものを作らないようにしようかなと。変態なのを狙った結果、全然グルーヴがないものになるのも嫌なんで。昔、Lil Wayneが『Rebirth』(2010年)を出したことがあったじゃないですか、あの全然ラップしてなくてグルーヴないやつ。ツイストしすぎてああいうのになるのは嫌です。もちろん本人がやりたいことは分かるんですけどね。ファンの目線から見て分かりやすいものを作るのも大事だなって。

─最後に、今後の予定について教えて下さい。

BFN TOKYOTRILL:
全然音楽は作り続けてるんで期待しといてください。もう次のアルバムも作り始めてるし、今年の9月とか10月とかには出せたら良いなと思いますね。でも、まずは何より今回のアルバムをみんなそこそこ最後の方まで聴いてくれてるっぽいのが嬉しいです。自分は集中力なくて、好きなアーティストでもアルバム全部一気に聴けないとかあるので。みんなが後半の曲とかまで楽しんでくれてるのが嬉しいし、彼らが喜んでくれるもの…振り落とさないようなものをまた届けたいと思います。

─ありがとうございました。

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2022/05/07
PRKS9へのインタビュー・コラム執筆依頼・寄稿などについてはHP問い合わせ欄、あるいは info@prks9.com からお申し込み下さい。

作品情報:

Tracklist:
01. Introduction [prod. BFN TOKYOTRILL]
02. Horigome Yuto (feat. SEEDA) [prod. BFN TOKYOTRILL & KOSHY]
03. Shake Tha Block (feat. HENNY K) [prod. BFN TOKYOTRILL]
04. Perfect Timing [prod. BFN TOKYOTRILL]
05. Moonlight [prod. BACHLOGIC]
06. Don’t Cry [prod. MARIO ALEXANDER]
07. Dead Love [prod. BACHLOGIC]
08. Babylon [prod. BACHLOGIC]
09. 93Baby (feat. JNKMN & BFN DWELLS) [prod. BFN TOKYOTRILL]
10. D4M [prod. Lil’Yukichi]
11. D4Y [prod. BACHLOGIC]

Artist: BFN TOKYOTRILL
Title: Best Coast 2
2022年4月20日リリース
Stream:https://linkco.re/zBaeMe9u?lang=ja
Cover Art by hxde

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