Pitch Odd Mansion, HYD?: 2 HORNS CITY #3 参加メンバー全員インタビュー (1)
2022年3月4日(金)、Pitch Odd Mansion(POM)とMS Entertainmentによる名作コンピレーションシリーズの第3弾となる『2 HORNS CITY #3 -INSOMNIA HOTEL-』がリリースされた。前回の第2弾から4年を経ての新作。その間に各自の音楽活動があり、コロナ禍があり、ロシアによるウクライナ侵攻があり…彼/彼女らを取り巻く環境は目まぐるしく変わってきた。今回は最新作に参加したPOMメンバー全員に、この4年間、そして現在の状況を語ってもらうこととした。初回はShintaro Kunieda, Ace the Chosen onE, kiki vivi lilyが登場。Pitch Odd Mansion, how you doin’?
Shintaro Kunieda:
─今回4年ぶりの『2 HORNS CITY』の新作となりました。この4年間、自身にとってどんな時間でしたか?
結構経ちましたね(笑) 個人的な話をすると色々と人生観的に流れが変わりました。個人で進めるプロジェクトが増えたり。とにかくスケジューリングとか管理的意識が強くなりました。充実というか、とにかく考えることが増えに増えた時間だったかなと。
─最近はPitch Odd Mansionの仲間とはどんな感じですか?
結構楽しく出来てるんじゃないですかね。個々でやってるとは言いつつも、みんなで何かするとやっぱり楽しいです。僕自身コロナ禍前後からあんまりみんなと会う機会がなかったのですが、Sweet Williamが「みんなで合宿しようぜ!ちゃんと会って話して共有しよう」的な事を言ってくれたり、Ace the Chosen onEがイベントをやってくれたり。互いに楽しみや考えてる事を共有する機会がまたできてポジティブな雰囲気を感じます。
─コロナ禍が3年目に突入した中、自身の活動への影響や、世界について感じていることを教えて下さい。
映像制作者としての個人で活動してると、社会の問題とかから一歩離れてる感じがして少し傍観してみてしまうところがあるんですが、もちろん実際はそんな事は全然なくて。今回のことを経て、バッチリ社会の渦の中にいるんだなと思いました。作家やアーティストも含め。正直大変な時期もありましたが…なんとか楽しくやってます(笑)
─今回の舞台は「ホテル」ですが、これまでに体験したベストなホテル/旅館があれば教えて下さい。
昔バックパッカー的な感じで東南アジアにいったときに100円くらいで泊まれた宿は牢屋みたいでよかったです。
─POM以外でも、最近よく聴く or 気になってるアーティストがいれば教えて下さい。
地元のお祭りの歌をいつも聴いています。
─POMのインタビューが揃う場なので、ここからは基本的なことも改めて伺わせて下さい。HIPHOPに出会うまではどのような音楽を聴いていたんでしょう?
父親の影響で音楽に触れる機会は多かったと思います。ビートルズから始まりマイルスデイヴィスやジョニーウィンターまで…とにかく幅広かったと思います。
─そこからHIPHOPに出会ったきっかけは?
兄や友達の影響ですかね。小学校の時昼休みの時間に先生がラジカセを使わせてくれて友達同士でCDを持ち寄って聴いてたのが始まりかと思います。GEOのパクリのZEROっていう中古CDショップみたいのなのが近くにあって、当時はそこで買い漁ってました。
─特に影響を受けたアーティストなどはいますか?
David Lynchが凄く好きな時期がありました。
─それから映像制作を自分で始めたのはいつ頃?その経緯や当初の活動内容は?
学生のとき、授業でカメラが必要で。その時購入したのがEOSのkiss x2か…そんな感じのでした。最初は写真メインの使い方だったんですが、それで動画も撮れるのを途中から知って試しに撮影してみたら、「すげー!映画みたい!」って思ったのが始まりだったかと思います。当時は一眼レフカメラに動画撮影機能がつき出した時期で、5Dmk2無双で映画のようなボケ感(実際は全然違うが)を簡単に感じられる様になった頃。爆発的に映像を触る人が増えた様に感じます。
実際のきっかけはそこなんですけど、潜在的に映像を撮る欲求を持ったのは…中学校の頃スノーボーダーのプロを目指しててみんなでトリックを撮影してたところなのかな。そんな気がします。
─POMを立ち上げたきっかけ、経緯はどんな感じだったんですか?
学生の頃の課題で「ブランディングをしてみよう」的なのがあって、架空の会社とかブランドを自分で作って展開する機会があったんです。きっかけはそれでですかね。当時はボックスロゴでもうちょっと抽象的でしたが。その後Ace the Chosen onEがどっかのレーベルでやるんじゃなくて自分たちでやりたいやろうぜ!って言ってくれて…それで始まった気がします。
─自身のPOMに持っている印象を教えて下さい。
それぞれ。偏ったイメージカラーをあえてつけたくなくてロゴも基本モノクロなんです。個人的には無色。「デュラララ!!」ってアニメに出てくる無色のカラーギャングの、ダラーズとかに近いかも。
─最後に、今後の予定について教えて下さい。
まだまだやる事いっぱいあります!お楽しみに!
Ace the Chosen onE:
─今回4年ぶりの『2 HORNS CITY』の新作となりました。この4年間、自身にとってどんな時間でしたか?
コロナ禍が始まる前は名古屋のHIPHOPシーンをいかに盛り上げれるか?って感じでしたね。バンド始めてライブハウスのシーンもごちゃ混ぜにしたり自分の好きなバンドとEPも作れたり…。でも、今の情勢になってからはひたすら制作でした。世に出してないタイミングを逃した曲が死ぬほどあります(笑)
─最近はPitch Odd Mansionの仲間とはどんな感じですか?
毎週末ZIP FMで呂布さんの番組の中のコーナーで僕とRAITAMENが話す時間があるんですが、収録終わりとかにライタとは毎週遊んでます。実は一緒に制作合宿も行ってたんで。他にも…(サトウ)ユウヤ、SW(Sweet William), 唾奇にはよく会うかな。
─コロナ禍が3年目に突入した中、自身の活動への影響や、世界について感じていることを教えて下さい。
いや、相当やりにくいですよ(笑) 他のアーティストも、自分みたいな現場で足で稼ぐタイプは地獄じゃないっすかねやっぱ(笑) 言い訳してもしゃーないんでやり方をひたすら模索してますけど…でら長くないっすか?(笑) もう飽きたんで世界中でさっさと元の環境に戻ってほしいですね。
─今回の舞台は「ホテル」ですが、これまでに体験したベストなホテル/旅館があれば教えて下さい。
マニラで泊まった一泊100円ホテルのベットがシーツの下、コンクリートだったのが衝撃でした。
─今回の楽曲に込めた想い、コンセプトなどを教えて下さい。
実は最近、結婚したんですよ。俺みたいなまあまあめちゃくちゃな人生でも人間ってなんとかなるんだなって思いまして(笑) この気持ちを残して置きたくて、今回の曲では嫁と付き合う前ぐらいのデートを書きました。
─POM以外でも、最近よく聴く or 気になってるアーティストがいれば教えて下さい。
チコ(CHICO CARLITO)の新しいアルバムは素晴らしかった!結構聞いてるっすね。海外だと2000年代初期のDEF JAMあたり聞き直してるかも…別に理由はなくて、無意識に(笑)
─POMのインタビューが揃う場なので、ここからは基本的なことも改めて伺わせて下さい。HIPHOPに出会うまではどのような音楽を聴いていたんでしょう?
いや、音楽に全く興味なかったですね(笑) それこそ野球やろ!野球!って感じでした 小学校6年頃で日本語ラップに出会って、人生が180°変わりました。
─そこからHIPHOPに出会ったきっかけは?
きっかけは姉ですね。USのHIPHOPを聞くきっかけは田舎ながら当時地元にあったダンススタジオです。衝撃だったのを凄く覚えてます。
─特に影響を受けたアーティストなどはいますか?
僕は当時日本だとOZROSAURUSにAK-69さん、”E”qualさん、Zeebraさんにはぶちくらってました。そこから深く日本語ラップをディグりまして…初めて聞いた日本語ラップはキングギドラの『最終兵器』です。
─それからHIPHOP活動を自分で始めたのはいつ頃?その経緯や当初の活動内容は?
最初はとにかくCLUBに行ってみたくて。中2頃には先輩を頼りまくって(名古屋市中区にあるクラブスポットである)丸美観光ビルに通ってました。名古屋の街も当時は西海岸一色なイメージで、右見ても左見ても怖すぎたのを覚えてます。地元の先輩に誘われてリリックを書いてみたのが中3で、気付いたら当時のCLUB CIPHERでステージに上げてもらえました。そこからはスキルを磨く毎日。毎週いろんなライブ見て、音楽聴いての日々でした。
─POMに参加するきっかけ、経緯はどんな感じだったんですか?
初めてアルバムを作った時にデザイン全般を(國枝)真太郎に頼ってて、家に通ってたんですよ。21-22歳とかの頃かな?で、真太郎が「動画を作ったんだ」って言ってきて、言われて見てみたら衝撃的だった(笑) そのとき、動画に記載されてた「PITCH ODD MANSION」ってロゴ何?ってあいつに聞いて…そこからPOMが始まった気がします(笑) あとは毎週大体今のメンバーらと集まってCLUBに溜まってたので。自然と皆でライブして曲作ってたらいつの間にかって感じですね。
─自身のPOMに持っている印象を教えて下さい。
誇り!俺が1番大事にしなきゃいけないものだなと思ってます。
─最後に、今後の予定について教えて下さい。
ツアーやりてー!!!!世の中次第ですが…。とにかく作り溜めてきたものを発表していきたいです。名古屋のHIPHOPをもっと面白くしていきたいです。
kiki vivi lily:
─今回4年ぶりの『2 HORNS CITY』の新作となりました。この4年間、自身にとってどんな時間でしたか?
ソロの作品作りに集中できた4年間でした。
─最近はPitch Odd Mansionの仲間とはどんな感じですか?
コロナ禍でなかなか会えてなくて…みんなが恋しいです。
─コロナ禍が3年目に突入した中、自身の活動への影響や、世界について感じていることを教えて下さい。
元々海外旅行が趣味だったので、外からの刺激でインスピレーションを受けて曲を書く、みたいなことは減りました。その分、自分の内面とより深く向き合えた気がします。
─今回の舞台は「ホテル」ですが、これまでに体験したベストなホテル/旅館があれば教えて下さい。
イタリアのフィレンツェで泊まった老舗ホテル。映画に出てくるような味のあるおじいちゃんが大きな鍵を渡してくれました。まるで自分が映画の中に迷い込んだみたいでわくわくしました。
─今回の楽曲に込めた想い、コンセプトなどを教えて下さい。
等身大の自分との葛藤に向き合い、素直に表現しました。
─POM以外でも、最近よく聴く or 気になってるアーティストがいれば教えて下さい。
Jacob Collier。
─POMのインタビューが揃う場なので、ここからは基本的なことも改めて伺わせて下さい。HIPHOPに出会うまではどのような音楽を聴いていたんでしょう?
国内のニューミュージックと呼ばれる音楽をたくさん聴いていました。
─そこからHIPHOPに出会ったきっかけは?
当時一緒に曲を作っていた方からたくさんのCDを貸してもらいました。
─特に影響を受けたアーティストなどはいますか?
Snoop Dog , A tribe called quest など。
─それからシンガー活動を自分で始めたのはいつ頃?その経緯や当初の活動内容は?
既に弾き語りでの音楽活動はしていました。色々なジャンルの音楽との出会いで自分の活動スタイルも変化していきました。
─自身のPOMに持っている印象を教えて下さい。
自由。
─最後に、今後の予定について教えて下さい。
3/13に自身初のブルーノート東京での単独公演があります。
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2022/03/04
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作品情報:
Tracklist:
1.LIVING DEAD / 唾奇, RAITAMEN
2.Hyouri (feat. MELRAW) / TEN
3.Talk Dirty to Me / Ace the Chosen onE
4.EZ MODE / RAITAMEN
5.What Are You / 唾奇, RAITAMEN
6.Feelin’ Down (feat. Itto) / Warbo
7.Up to You (feat. SIRUP) / kiki vivi lily, サトウユウヤ
Artist: Pitch Odd Mansion
Title: 2 HORNS CITY #3 -INSOMNIA HOTEL-
Label: MS Entertainment
2022年3月4日リリース
Stream: https://linkco.re/Az4qGpt8?lang=ja
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