Column/Interview


イギリスでいま注目を集めるアーティスト・Miso Extra。イギリス人の父と日本人の母との間に生まれた彼女はロンドンを拠点に活動。日本語と英語がちょうど50:50で並立するリリックと、それを取り巻くサウンド。そのどこか非現実感のあるグルーヴが各所で話題を呼び、まだシングルを3枚リリースしたのみにも関わらず、Spotifyの月間リスナー数は27,000人を超え(’22/2月現在)、現在バイラルで評価を高めているラッパー/アーティストだ。

既にgorillazや88rising, NME100が2022年に注目するアーティストとしてピックアップ、5月にイギリスで開催されるTHE GREAT ESCAPE FESTIVALにもラインナップされるなど、昨年の登場から、一気に表舞台に上がってくる勢いを持つ。





一方でまだ日本では彼女についての情報に乏しいことから、今回はMiso Extraについて整理したい。

Miso ExtraはUKキッズTVと日本のアニメを見ながら育った。その過程でアメリカのHIPHOP, エレクトロニカ、UKの音楽を吸収しながら育ったほか、Instagramのストーリーによると宇多田ヒカルなど、日本のポップス/ブラックミュージックにも触れてきたようだ。その後2020年、COVID-19で街が閉じ籠る中、Miso Extraは自宅のベッドルームで一人腕を磨く。そこで自分のアイデア、音楽で表現したいことを集中して捉える機会を得たことで、2021年からの動きに繋がっていく。特に映画「Bend it Like Beckham(邦題:ベッカムに恋して)」を好む彼女は、サッカー日本代表を模したユニフォームを身に付けアクトすることとなる。

 
 
 
 
 
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2021年8月、Miso ExtraはArlo Parksらを手掛けるレーベル・Beatnik Creativeのサポートのもと、デビューシングル”Adventures of Tricky N Duke”をリリース。ドリーミーなHIPHOPサウンドにバイリンガルな歌詞を乗せたこの曲は、現実とヴァーチャルを越境する「Misoverse」に生きる彼女の空気感を最も体現した作品とも言える。多幸感あるリリックの後半で「Don’t blink. Welcome to an alternate reality」と紡がれ、人々はMisoverseへの扉を開いた。



続く9月にはアコーディオンのループとオーセンティックなHIPHOPビートが融合した特異な”1013″をリリース。「社会の中で直面する不公平さに対する不満や幻滅をテーマにした」「デジタルな自分に夢中になっている世界の中で、自分の声を見つけることへのフラストレーションを表現した」(*)という本作は、リリース済の3作で最も直接的な批評性を持つ。1stシングルの持つ、閉塞感からの脱却によるハピネスとはまた別の視点が挟まれる本作は、それでもやはり、前作と地続きの世界観を構成している。
(*)http://avyss-magazine.com/2021/09/23/30329/ 



その後、11月には3枚目のシングル”Deep Fried”をリリース。本作は自分の感情をコントロールするのに苦労している恋心を歌った作品。突然誰かに引き寄せられる感覚を「Deep Fried」されることに例えた本作は、幻想的な空間を演出するシンセの挿入とグルーヴィなベース、そしてMiso Extraの歌とラップ、コーラスが絶え間なく切り替わっていく。



これらの3曲を聴くだけでも、Miso Extraのドリーミーな世界の魅力を知るには十分だろう。既にイギリスで一定の人気を獲得しつつある彼女だが、これらの楽曲は今後リリース予定のEP『Great Taste』のリードシングルとしての位置付け。来たるEPで現出するであろうMisoverse。そこで我々は、遂に彼女の世界を存分に旅することが出来る。

▶Miso Extra:
Twitter: https://twitter.com/misoextra 
Instagram: https://www.instagram.com/misoextra/ 

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2022/02/01
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