Column/Interview

EVISBEATSとの”蛍”や”Sitting In My Chair”を始め、数々の名曲を世に放ってきたItto。その圧倒的な音楽のインプット量、作品センスはしばしばシーン内外で「天才」と絶賛される。Itto Collectiveとして改名してからもその才能は不変だ。むしろ、ジャニーズを始めとするメジャーのプロダクションを手掛ける(!)中で、そのセンスはポップスフィールドも取り込み、より鋭さを増している。

今回MVが公開された最新作 “Honoh”においては、歌とラップと和太鼓が同居しつつシナジーする。その精緻な化学反応は感覚に頼る偶然の産物と言うよりも、起こるべくして起こされているかのような説得力がある。常にそのセンスを讃えられる才能は現在何を見ていて、どこに進もうとしているのか。これまでのキャリアも総括しつつ語ってもらった。

登場する主なアーティスト(順不同):
NITRO MICROPHONE UNDERGROUND, EVISBEATS, ビートルズ, Jinmenusagi, Billie Eilish

─本日はよろしくお願いします。
 最近拠点も移されて、実はジャニーズの作詞やエンジニアといったところで活動されているとか。

Itto Collective:
よろしくお願いします。
そうです、去年の5月くらいに長野の方に引っ越してきて。
自宅にスタジオを構えて制作をしながら、東京にも行ったり来たりしてるって感じですね。

3年くらい前からWakeってプロダクションに入ったんですけど、そこでアイドルとかの作詞作曲をやらせて貰ってます。
メインどころだと山下智久さんの曲とかはいくつかやっていて、結構勉強させてもらいましたね。
山下さんの今の最新作『UNLEASHED』(2018年), 『Reason / Never Lose』(2018年)で、収録曲のうち1曲ずつやらせてもらってます。
あとはミキシングもラッパー界隈で使って貰っていたりとか。

─そうだったんですね…!
 じゃあ山下智久さんのアルバムクレジットを見に行くとItto Collectiveさんの名前があるみたいな。

Itto Collective:
クレジット自体は所属しているプロダクションのWake名義で載ってる感じですけどね。
このプロダクションは10人弱くらいでやってるんですが、純日本人なのは自分くらいのもので、基本言語は英語で普段から制作しています。
トラックもみんなで制作しますし、ボーカリストも何人かいるので(声入れもしたり)試行錯誤しながらやってる感じです。
ジャニーズというとコテコテな音のイメージがあると思うんですが、どちらかとUSチャートみたいな音のプロダクションで。

得られたことも大きかったので、今は自分の音楽制作に注力したいな、と思ってますね。

─なるほど。
 そんな近況の想いについては後ほど深掘りさせて頂きますが、今回はItto Collectiveさんのキャリアをきちんと伝えられるインタビューにしたく…まずは今更ですが、元々の音楽的なバックグラウンドを教えて貰えますか?

Itto Collective:
元々母方の祖父がニューヨークに住んでいて、親が離婚後、幼少期にそこで過ごした時期があったんですよ。
その時に結構ミュージカルとかオペラを観る機会があって…そこで音楽を好きになって色々聴くようになりました。
その後中学生のときにブレイクダンスとハウスダンスを始めて、高校では部長になって…ダンスって(曲間の繋ぎで)曲の編集とかしなきゃいけないじゃないですか。
それで編集ソフトとかを買ってみたら、それが段々曲作りに発展していった…っていうのが最初でした。

大学でまたアメリカに行ったんですけど、最初に住んでた部屋のルームメイトが日本のHIPHOPが大好きで。
それまであんまり聴いたことなかったんですけど、聴いてみると好きになって「遊びでやってみよっか」って話になりました。

─そのとき特に刺さった日本のHIPHOPアーティストって誰だったんですか?

Itto Collective:
当時、一番最初に聴いてたのはNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDですね。
英語のニュアンスも持ちつつ、日本語でもこんなにカッコ良く聴かせられるんだ、って驚いた。
日本語なんだけどなんかスタンスがUSみたいな、凄く新鮮でした。
でも今となってはそういうラッパーさんがたくさん出てきてて、みんな凄いなって思います。

─柔らかな世界観を持つItto CollectiveさんがNMUルーツというのは意外ですね。
 バキバキのハードコアHIPHOPから入ったっていう。

Itto Collective:
まあでも、自分は世界1周するくらいのレベルで色んな音楽を通ってきていて。
大学の時もインド北部のヒンドゥスタン古典音楽(Hindustani classical music)っていう古典音楽があるんですけど。
それをやってるインド人たちに交じって声楽をやったりして声の勉強をしたり、ガムランって(インドネシアの)民族音楽があるんですけど、そのグループに入ってたりとか。おかげさまで、妙にインド訛りの英語が上手くなりました。

そういうものも通ってきた中で、(NMUは)またそれはそれで別の出会いとしてあったって感じですね……まあ、なんでも好きなので笑

─Itto Collectiveさんの持つ多国籍感や旅情感みたいな部分はそういう背景に裏打ちされてる訳ですね。
 多国籍な一方で和のテイストもかなり入っている、みたいなブレンドが魅力的です。

Itto Collective:
日本の楽器──三味線とかをやり出したのもUSの大学に入ってからですね。
外国で暮らす中で「日本人の自分」って何なんだろう、みたいな問いかけが自分の中であって。
ちゃんと日本の音楽も知らないとと思って……一方でUSに被れながら、西洋と東洋、自分の中に両方を落とし込んでいきました。

─じゃあHIPHOP固有な文化論・精神性みたいなものにドカンと喰らったというよりは、色々な音楽を通る中でHIPHOPも好きになった、という位置付け?

Itto Collective:
そうですね、ただHIPHOPの間口の広さとか、良い意味での敷居の低さみたいなのが当時の自分に凄く合うなと思って。
技術がなくても勢いとリアルであること、それからパンクにも共通することですけど、DIYであることがあれば良くて。

まあHIPHOPの形みたいなものも当然時代と共に変わってきてますけどね。
以前は個として進化していく、みたいな感じだったのが、今は全体として進化していくような感じなのかなー、と思ってます。
でも一方でジャンルの細かい枠みたいなものはどんどん取り払われてる感じもあって…「もうそれラップじゃなくて歌じゃん」みたいなものもOKみたいな。
ラップという手法の面で進化のスピードも格段に上がった気がしますね。

─特にEmoやAlternativeの発展で、日本人にもポップス的な感覚のまま馴染めるようにHIPHOPが融合していってる感じはします。
 Itto Collectiveさんとしてはその流れに肯定的なんですか?

Itto Collective:
全然ウェルカムです。
ただHIPHOPって言葉の定義はほんとに難しいなって実感するところですね…日本で言うHIPHOPと、USで言うHIPHOPって指すものが全然違うと思うんですよ。
正直USではもう「これがHIPHOPだぜ」,「これはこうあるべきでしょ」みたいな決め方が全然ない気がします。
そこまでHIPHOPとはどういうジャンルで…みたいなことにこだわりがないというか。

─確かに、日本は輸入した側だから逆に現物保管しようとする意識が強いのかもしれないですね。
 「貰ったものだから正しく伝承しないと」みたいなところがあるから「これは本当はこういう形が正しくて~」みたいな話がよく出てくるというか。

Itto Collective:
究極的に、僕はジャンルっていうもの自体に意味はないと思っていて。
もちろん個別の音楽・文化にリスペクトはあるんですけど、ジャンルの括り自体はほんとにどうでも良いし、抽象的な枠でしかない。
自分が音楽をやるときには、そういう世間的な枠は外していきたいと思ってやっています。
自分のアウトプットとして出した音楽が、あとからどのジャンルの箱に入れられるのかとかは別に何でも良いです。

─そんなItto Collectiveさんですが、とは言え特に好きだったアーティストと言うと誰になるんですか?

Itto Collective:
曲単位で好きな人とかはたくさんいるんですけど、全体を通したときの動き方や曲の構成、曲中での言葉の使い方を踏まえて一番好きなのは…ビートルズですね。
主軸に据えてるメッセージが愛と平和っていうのも好きだし、音楽的に前衛的なこともしつつ沢山の人に届いた人たちじゃないですか。
やっぱり聴く度に凄いなあと思わされます。

─愛と平和みたいなポジティブなスタンスは、Itto Collectiveさんの音楽にも通底するイメージです。

Itto Collective:
そうですね、やっぱり自分の音楽を聴いた人には、それによって良い方向に向かって欲しいって思います。
人によってはハードな境遇を歌って、それが誰かの心に響くこともあると思いますけど、自分の場合はポジティブなメッセージを出して、ポジティブな影響を与えるってところを大事にしています。

─なるほど…HIPHOPを自分で始めた当初の活動内容はどんなものだったんですか?

Itto Collective:
最初はもう身内ノリでふざけて遊ぶ程度ですね、「何か作る」っていうのが楽しくて。
大学に入った2008年頃に始めたんですけど、僕はそこで音楽科を副専攻で勉強していて、そのうちに「あ、これ本気でやってみようかな」って思った。
それで大学を卒業する直前…2012年くらいに名古屋のビートメイカー・CAIBEATZと出会った頃に「身内ノリじゃなく本気でやってみよう」と思いました。
でも身内ノリでやってた頃のちょっとしたふざけ感みたいなのは、曲に寄っては今でも残ってたりする部分かもしれないですね。

─そこからCAIBEATZさんとのジョイントアルバム『Timescale』(2012年)も経て、単独名義でのアルバムは『(No.) Satori』(2014)となる訳ですね。

Itto Collective:
このアルバム自体、日本に帰ってくるタイミングで名刺代わりになるような作品が欲しいと思って制作してたんですけど。
元々『Timescale』を出したタイミングでEVISBEATSさんから連絡を貰ってたんですよ。

僕は当時EVISBEATSさんを知らなかったんですけど、自分が日本に帰るタイミングで名古屋まで来てくれてお話させてもらいました。

アンテナの張り方が凄いですね…で、それから連絡を取ってるうちにEVISBEATSさんのビートを頂くことになって”SAMSARA”や、翌2015年には(EVISBEATS名義で発表された)”蛍 feat. Itto”が出来ました。出会って以来、今でも僕のメンターの一人です。

あとはSD JUNKSTAのKOYANさんがくれた”Mantrap”もインド風のビートで、これも自分が通ってきたものなので入れたいなと。
だから『(No.) Satori』はその時の出会いや自分の好きなものをベースに、勢いのまま作り上げた作品ですね。
アメリカにいたときに作ったのが3曲くらいで、その他は日本に帰ってきてから一気に作りました。
なのでアルバムとしてのカチッとしたコンセプトというよりは、それぞれがシングルみたいな扱いです。

─そこから『Music Soul Journey』(2015)で一気に旅情感や、吹き抜ける風のような心地良さが一気にItto Collectiveさんのアートスタンスとして内外に浸透した気がします。

Itto Collective:
これは結構コンセプトアルバムというか、全体を通して聴いて完結するような作品ですね。
アルバム1枚で一曲のような感じです。
ミュージカル調で色んな国の音楽をサンプリングして入れていて。
だから『(No.) Satori』は色んなビートメイカーさんに入って貰ったんですけど、これは全部ひとりでビートから組んだ初めての作品です。

このアルバムはミュージカルの影響も結構あって…例えば冒頭の”The Journey Begins”と最後の曲 “Sitting In My Chair feat. EVISBETAS”では同じ歌がリフレインしてるんですけど、これはミュージカルの「モチーフ」と言われる、同じ歌が何度か出てくるような手法を取り入れたりしています。
自分としてはかなり良いものが出来たなという手ごたえのある作品でした。

─そこから『I』(2017)を発表しました。
 この作品は精神世界にかなり没入するコンセプトになりましたね。

Itto Collective:
そうですね、この作品の時は僕自身としても結構生活が大変で…工場とかで働きながら暮らしてた時だったんですけど。
そんな状況だったので、ある意味自分の中でも逃げ道を探したりした結果、内面を描く方向性になりました。

─そうだったんですね。
 そんな中でも総論として前を向く、Itto Collectiveさんのスタンスがブレてないのが印象的な作品でもあります。
 闇落ちしてないというか。

Itto Collective:
そうですね…単純に、闇落ちすると後味悪いじゃないですか笑
人生にアップダウンはある訳で、そんな中で前を向こうっていう。
そこで前を向けたのは…”走馬灯”とかでも歌ってる通り本当に「人のおかげ」というか。
誰かがその時々で助けてくれたからです、本当に。

─そんな中での作品となると、とりわけ思い入れも強い作品になったんでしょうか?

Itto Collective:
うーんどうでしょう、結構作品が出来ちゃうと気持ちの整理が付いちゃうタイプなので。
どっちかと言うと制作中がその曲に一番思い入れもあるし、心がフレッシュでいれる気がしてますね。

曲を作ったあとは…たまに戻って聴いたりとかはもちろんあるんですけど、あんまり過去の曲には執着してないです。
昔の写真をしまったアルバムと同じで、思い出みたいなものです。

─そこからJinmenusagiさんとの楽し気な『Eternal Timer』(2017)などもありつつ今に至る訳ですね。

Itto Collective:
これはウサギっちと遊びながら作った作品だったので純粋に楽しかったですし、彼の才能を改めて感じましたね。
僕とウサギっちの違いって、彼は頭の中でイメージした音をすぐに形に出来るんですよ。
僕は作り込んで作り込んで1曲を作るってタイプなので、お互いの中間を探した面白いアルバムになったと思いますね。

やっぱり彼のラップって単純に日本で1番上手いと思うので。
そういう中で自分も彼に惹かれる中で制作に繋がりましたね。

─ちなみに以前Jinmenusagiさんに本作の話を聞いた時は、「Ittoさんは凄い」って言ってましたけどね笑

Itto Collective:
なんか音楽的にラブラブな感じですね笑
でもほんとにセンスが良いし凄いなと思います…色々学ばせてもらってます。
彼もビートを自分で作るので、その面でも楽しく制作させてもらいました。

─そんな中で今に至る訳ですが…まず、今回アーティスト名をIttoからItto Collectiveに変えた理由はなんでしょう。

Itto Collective:
去年くらいから海外に音楽を届けたいなと思ってた事を形にするようになって。
そんな中で英詩も増えてるんですけど、日本語でやるときと英語メインでやるときとで名前を変えようかなと思いました。

あとはまあ”Collective”って集合体って意味ですけど、自分がトラック作るときとかは楽器を別の人に頼んで足してもらったりして作ることが多かったり、その後の作業も作詞して歌入れしてミキシングをやって…って全部自分で完結出来る。
だから内外両方で色んなものの集合体という意味で付けてます。

─日本語メインでラップするときには「Itto」名義に戻る、という感じですかね。

Itto Collective:
そうですね、ちょくちょく行き来すると思います。
でも自分の中の目標としては海外に発信していく、というところなので、とりあえずはItto Collectiveがメインですかね。

やっぱりWakeに入って以降、ポップスの作り方や魅せ方みたいなスキルはかなり鍛えられて。
例えば2小節の歌のフレーズがしっくりこなかったら全員で30分くらい掛けて歌い倒す、みたいな。
自分のやり方的にもそういうのが肌に合ってると思うので。
そうした部分に刺激を受けたので、どっちかと言うと今は歌とかに興味があります。

─ラップはいまちょっと良いかな、という感じ?

Itto Collective:
今はBoom Bapノリのザ・ラップみたいなのよりは歌寄りの方に興味がありますね。
ラップって明確なスキルや評価基準が良くも悪くもないものじゃないですか。
歌とかだとピッチやトーンを狙ったりとか、評価基準もあってスキルの積み上げの成果が見えやすい部分があるなと思って。ラップから始めてる人なら必然的にラップも上手くなると思うんですよ。
表現においても、短いフレーズの中で何を表現するか、どう抑揚を付けるかっていう面白味を感じています。

ラップも誘われたら全然やるんですけど、自分からやるかと言われると今はどうかな、って感じですかね。
あとは僕、物覚えが悪くて笑
ラップでたくさん歌詞覚えるのは大変なんですよ笑

─なるほど笑
 今回リリースされた”Honoh”についてですが、まずはビートが和太鼓と三味線で、リリックがほぼ英詩という組み合わせにされていますね。

Itto Collective:
今回は陣中太鼓って地元愛知県豊田市の太鼓連の人たちがいて。
一緒にやってみたいということはずっと前から思ってたんですけど、中々自分の技術やビート的にしっくり合うものが出来なくて。
それが2020年の8月くらいに良い感じのビートが出来たので、やっとお誘いさせてもらったって感じです。

元々めちゃくちゃ大ファンで…毎年大みそかに神社で演奏されるのを観に行ってたくらいで。やっぱり、伝統音楽は伝統音楽でスピーカーにはない体の芯に響くナチュラルな良さがあるので。残っていってほしいです。
MVでも陣中さんが演奏している様子が見れるので、チェックして欲しいですね。

─リリックについて教えて下さい。
 コロナ禍もあって人々が互いに攻撃し合うような状況の中、自分の中の炎を見つけて新たな道へ進もう、とItto Collectiveさんらしい、熱くも優しい背中の押し方をされている曲なのかなと感じました。

Itto Collective:
その通りですね。
散々言われてることですけど、結構1人で過ごす時間が増えたじゃないですか。
そんな中で自分を見つめ直す機会もあったと思うんですけど…そんな中で、皆が自分の内なる部分に潜んでいる炎に気付いてくれれば、みたいな思いで書きました。
だから結構自分との対話もありつつ、皆にも感じ取って欲しいような…言ってることは仏教思想に近いところがありますね。

中々上手く説明出来ない部分ではあるんですけど、聴いた人に元気になって欲しい、というのは明確にあります。

─このコロナ禍やSNSの過激化みたいな中で、Itto Collectiveさんとして思うところがある?

Itto Collective:
SNSといえども人対人なので、個性を尊重できるような風潮になればと思います。
そうすれば、他人に非生産的な干渉をせずに自分のことにも集中できますし。
日本語って言葉の一節だけ取ると意味合いも変わってしまう言語なので、全体を把握した上でのやりとりは重要だと思いますね。
そういう傾向も踏まえて、このタイミングに出せて良かったとは思いますが、コロナに関しては既に起こったこと、起こっていることに対してはもう仕方のないことだから、くらいの感じかもしれません。

その辺は上手く言語化しきれないんですが、とにかく作ってるときに「凄い曲が出来たぞ…スタジオ燃え出したりしないかな」みたいな盛り上がりが自分の中ではあって。
そういう心境の方が強かった気はしますね。

自分は結構曲はたくさん作ってるんですけど、シングル志向になってるんですよ。
そうなると数は作ってても、一発ずつをデカいのにしなきゃいけないと思ってて。
今回の”Honoh”はその厳選の果ての1曲ですね。リリースに至るまで、MVも含め制作に半年掛かりました。

─では今後もシングルが中心でどんどん出てくるような感じ?

Itto Collective:
そうですね…でも納得いくものって中々生まれないので、どのタイミングで何を出すかは全然分からないんですが、まずはシングルを重ねていきたいですね。
良いものが出来たタイミングで出していく感じかなと。

ある程度シングルが出せたところでアルバムを出せたら…とは思いますけど、今は昔よりも1曲に掛ける時間がむちゃくちゃ長くなってるので。
いつ出せるか、とかは全然見えないですね。
ちょっと脱線しますけど、Finneas O’ConnellとBillie Eilishの兄弟がいるじゃないですか。
あの兄弟はベッドルームで膝を詰めて、曲によっては1年くらい掛けて作る曲とかもあったりして。
ああいうのを見ていることもあって、音に対する姿勢は変わってきた気がしますね。


─なるほど。

 今後はそういうこだわり続けたシングルを出して、最後にアルバムが待つような感じですね。

Itto Collective:
いやー…でもやっぱり、正直アルバムについては保証は出来ないですね。
僕もいまSpotifyを中心に音楽を聴きますけど、アルバムを聴くことってもうあんまりなくて。
もう曲単位で聴いています。

やっぱり4小節以上変化がなければすぐ飛ばす、みたいな人が多い中で、もうアルバムっていうフォーマット自体どうなんだろうっていう思いはありますね。
もちろん好きな人は好きだと思うし、世界観を出しやすいとか良いところももちろんあるんですけど。曲間のスキットとかも面白いですし。

でもまあ、音楽がすごく好きなんですよ、単純に。
だから何の形であれ、これからも出し続けていくと思いますね。

─ありがとうございました。

以上(2021/03/01)
───

アーティスト情報:
Itto Collective

音を旅する探検家。
地元名古屋でスケートボードやダンスをして過ごす。
アメリカ留学時にラップを始め、2008年よりアメリカ西海岸で活動開始。
独自の人生観や哲学を盛り込んだ深いリリックと、それを心地よく聴かせるフロウを持ち味とし、サクラメントのローカルヒップホップクルー・WILD LIFEとの共演や、ショートフィルムへの楽曲提供も手がける。
2012年、2013年には地元名古屋のビートメイカーCAIBEATZとアルバム『Timescale』, 『Future Story』を発表。
2014年に帰国後、東京に移住。
EVISBEATSとの共演で話題を呼んだ”SAMSARA”のPVを引っさげて、日本での活動を本格的に開始。
2014年に1stアルバム『(No.) Satori』, 2015年に2ndアルバム『Music Soul Journey』, 2017年に3rdアルバム『I』を発表。
全国各地でLIVEや制作活動を積極的に行い、アーバンな環境で新たな表現法を模索中。
納豆ごはんとビールがあれば生きていけると思っている節がある。

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