PRKS9 レビュー:ORIGAMI『折神』(本人解説あり)





神奈川の若手・ORIGAMIの1st EP。
2020年11月30日発売。


Track List:
1.M & Smoke
2.2win feat. ₩ Recommend
3.BUSU!!! feat. GNB AAlucarD







 MC名の由来は…神とか決めつけられたものが嫌いで。
 そういうのをぶっ壊してやろうってマインドでこの名前にしました。



そう語る18歳の初EPは、その不遜なマインドで「俺と俺の仲間が最強だぜ」と誇示して回る、破壊的かつ最高に挑発的な仕上がりとなった。
先日のGNB AAlucarD, ₩(ウォン)を交えたインタビューでも彼らの尖りきった個性が爆発していたが、本作は3曲にそのキャラクター性を凝縮した、まさに名刺代わりの1作となっている。
ボリュームにしてわずか3曲、計4分。
2分ちょうどの"2win"が作中最長というこの濃縮具合が、最短距離で仕留めに掛かる彼らの自信のほどを表している。

その素早さと攻撃力を掛け合わせる姿勢は、曲の構成にも如実に出ている。
"M & Smoke", "BUSU!!!"については曲が始まった瞬間にHOOKがスタート。
そして全曲とも、HOOK→1 Verse→HOOKの最短構成で終えるショートカウンターなノリで成り立っている。



 勢いを大事にして作ったので、最初っからかっ飛ばす感じでそういう構成にしました。
 すぐにHOOKが始まるのも、HOOKには自信があるのでいつもそういう風に曲を作ってます。



その一貫した姿勢が示す通り、1曲目の"M & Smoke"から最速だ。
潰れたベースが鳴り響く上でガチャガチャと多重的に鳴るビート。
その上でORIGAMIがスピーディにHOOKを決めて暴れ回る、ビートとラップが前述の「かっ飛ばす」姿勢を体現した曲だ。
「俺らが普段どんな遊びをしてるか伝えようとした曲」だと語る通り、彼らのモッシュも殴り合いもなんでもありなパーティーの勢いが如実に出た作品となっている。
一方で、HOOKで絶妙な音抜きとウィスパーを絡めるあたり、勢いゴリ押しでなくアーティストたる感性・テクニックが伝わる作りなのもニクい。

そして次の"2win"では盟友₩を迎える。


 
 ₩と「ヤバいの作ろうぜ」って話して、その日のうちにレコーディングして作った曲です。
 ₩にVerseを任せればとりあえずヤバいの作るんで、もう任せて蹴ってもらった感じですね。



そう語る通り、この曲は自身名義のEPにも関わらず唯一のVerse部分を₩に一任し、ORIGAMI本人はHOOKに徹する思い切った作りとなっている。
(ここで自分のVerseを足さないあたり、₩への信頼もさることながら、EPの持つ最速・最短なスタンスを崩さない一貫性を感じ取れる)
そうして場を任された₩が、その期待に応えるべく最高にスピットしていることにも触れなければならない。
「俺たち2人が最強だ」と叫ぶ典型的なボースティングにこれだけ説得力を持たせるVerseもそうないのでは?
そう思うほど、序盤の溜めの作り方・グルーヴの出し方から、後半の「時間の無駄だFuck」からのシャウトスタイルに至るまでの盛り上げ方、そこからの締め、全てが完璧。
ORIGAMIが信頼して任せるのも聴けば納得の仕上がりだ。



 オートチューン好きのブスなエモボーイを潰しにかかった曲です。



そう語る"BUSU!!!"はそのまま本作で最も挑発的な出来。
もう1人の盟友・GNB AAlucarDを迎え、今度はORIGAMIとGNBの両者で全編掛け合いながら怒りを発散する。
彼らの曲は自分が最強だと信じるならそう語るし、ムカつくことがあればそうブチ切れる。
曲でその想いをダイレクトにぶつける彼ららしく、自分の嫌いなタイプの人間への怒りが充満する迫力ある内容に仕上がっている。

3曲4分という超ミニマルな作品だが、ORIGAMIの持つ自信や怒り、それを裏打ちするアートセンス、そしてその動きを支える仲間の存在。
このボリュームに全てを詰め込んで表現する、しかも当然の如く高品質。
これからもGNB AAlucarD, ₩を含め楽しみな存在であることは間違いない。

「リスナーを常に飽きさせない曲を投稿しまくります」

その言葉に嘘はない、2021年に3人がブレイクすることを確信させる初撃だ。


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2020/11/28 Text by 遼 the CP

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