Column/Interview

島根を拠点にグローバルな活動を展開する若手・Skyraの3rdアルバム。2021年6月30日各種配信ストアでリリース。

Skyraというアーティスト


島根 – 鳥取を拠点に活動するSkyraの動きは、距離や重力から自由だ。地元のシーンとは一切繋がりを持たず、SNSでのやり取りを通じ、ダイレクトに自身のコミュニティを広げる。2019年1月にデビュー作”In The Cloud”をリリースすると、3日後にはNYに渡り、Lil Tracyのライヴの前座としてデビューライブをこなす。その後2020年8月にはfish narcが全曲プロデュースを務めたEP『Lovexxxx』をリリース。その軽やかに大陸を飛び越えるキャラクターは、彼のイーサリアルな音楽性とそのまま地続きだ。

前作『デザイナーズマッチャ』からわずか約4カ月のスパンでリリースされた今回の『燃える迷宮』も、プロデュースにアルゼンチン在住のtedy, アートワークにはバングラデシュのAsif Siddiqueを起用している。但しここで重要なのは、そうしたグローバルな展開をすること自体に価値を見出しているわけではなく、自身とフィールするアーティストと繋がるときに、国籍や言葉を無視出来る次元で生きているということ。それは今回のEPの世界観を見事に表したアートワークを見れば確信出来る。この姿勢は、そのまま音楽性そのものにも転用出来る。『燃える迷宮』は彼のイーサリアルなラップ、シューゲイザーオリエンテッドなサウンド感を維持しつつ、ハイパーポップも取り込んだ1作だ。かと言ってハイパーポップのインナーなハイテンションをそのまま導入するのでなく、出来上がってみるとSkyraのこれまでの音楽を構成する一要素として吸収されているあたりがユニークだ。

今回の本人解説も同様。独立した解説文というよりは、作品からそのまま延伸されたポエトと言うのが正しい。「解読」ではなく、『燃える迷宮』にディープダイブする為のツールとして、是非EPを聴きながら読んで欲しい。

『燃える迷宮』全曲解説


─1.燃える迷宮

大体、僕って自宅に引き篭もって永遠に一人で曲作ったり、
Neflix見たり、お茶飲んだりしてるんですよね。

気分って、上がったり、下がったりするじゃないですか?
それの下がった時に、頭の中に広がっている地獄の景色がこれです。

─2.空に溶ける。止めないで。

友達に会うっていうタイミングって、僕の生活でかなり稀なんですが、
そういう時ってすごく気が晴れて最高なんですよ。

でも、一人でいる時って、何故だか何者かに追われて、
心臓を握られているような気分にたまになるんですが、
そういう心情を音楽にするとこうなります。

─3.無実の蝋燭

リリックは大体10分で書いて、レコーディングもさらっとやる上に、
出来上がった曲はほぼ聞かないので、すごーく自分の曲に詳しくない
みたいなのがあるんですよね(笑)

それの代表的なやつがこれです。

─4.刀

刀自体は結構自分的になんでも良かったんですが、
日本の苗字ってバラエティ豊かじゃないですか?

そういうのを永遠に並べてみたかった欲を満たした結果です(笑)
友達がこの曲のリリックを見た時に、「京都の街並みみたいだね」って、
言ってました。

─5.轟音

このアルバムで一番好きな曲です。

シューゲイザーが僕の音楽のコアの一つなので、
そのバイブスをハイパーポップで僕なりに表現しました。

─6.川口の口を塞いで

生きていると、こんな奇跡みたいな事起きるんだ!みたいな事が、
埼玉県川口市にいた時に自分の身に起きて、
誰にも言えないやん〜てなったんですよ。

ということで、全部隠語にして、急いで川口の口を塞ぎました。(*´-`)

─7.世界世界世界

たまに世界が自分をシカトしてるなって思う時あるじゃないですか?
そういう時の気分がこんな感じです。

曲の解説じゃないですが、最後にお礼を言わせてください。
このアルバムの原案を作ってくれたPyricco
ビートを作ってくれたTedy
アートワークを作ってくれたAsif
この3人がいないと、このアルバムは作ることはできなかったです。本当にありがとう!!

そして、PRKS9さん、貴重な機会を有り難う御座いました!

───
2021/07/02
PRKS9へのインタビュー・コラム執筆依頼・寄稿などについてはHP問い合わせ欄、あるいは info@prks9.comからお申し込み下さい。

▶Skyra: Twitter / Instagram

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。