Column/Interview

YOU THE ROCK★が前作『ザ・ロック』(2009年)ぶりにアルバムを出す。これだけでもセンセーショナルなところに「THA BLUE HERB RECORDINGSからのリリースで全曲O.N.Oビート」なんて文言が付いていたもんだから、ヘッズたちは沸き立った。そんな訳で2021年5月12日(水)にリリースされるYOU THE ROCK★『WILL NEVER DIE』は二重三重の期待を背負う存在となり、かつ込められた弾丸は17発の大ボリュームだ。リスナーにとってあまりにも受け止めるべきものが多い作品であり、翻ってYOU THE ROCK★本人からも語るべきことは多い。

今回PRKS9では、ILL-BOSSTINO同席のもとYOU THE ROCK★にインタビューを実施。
2000年代前半のビーフに端を発する両者の邂逅に始まり本作に至るまで、20年近くに渡る両者の想いを紐解いて貰った。極限まで言葉を絞り込んでもそのボリュームは15,000字。本作を「これが1stアルバムであり遺作」と語るYOU THE ROCK★の想い。ここにその全てが詰まっている。

登場する主なアーティスト(順不同):
ゆるふわギャング, ヤン富田, MEGA-G, ヘンタイカメラ, JNKMN, ECD, DEV-LARGE, DJ KENSAW, TWIGY, SHINGO★西成

現在の立ち位置 │ THA BLUE HERBとのビーフの顛末


─まずは最近のYOU THE ROCK★さんを振り返らせて下さい。近年の活動で言えば、ゆるふわギャング、ヘンタイカメラとの『GOA』(2020年)への参加、そしてとりわけMEGA-G “Outta here” (『RE:BOOT』(2019年)収録)への参加がありました。他にもブギウギオールスターズとしての参加など、特に電子音楽寄りのシーンでお名前を見掛ける中で、それぞれへの参加のきっかけや思いを教えて頂けますか。

YOU THE ROCK★:
まず、全てはヘンタイカメラなんだよね。俺はいまヘンカメとヤン富田さんを師として、自分の意識を拡大する為にもサイケトランスとか電子音楽の場にいて。だから仕事としては勿論、HIPHOPの現場にも出るしそこでもシノギを得てるんですけど、メインはそっちの方面にいるんですよ。(テクノ系フェスである)SPRING LOVE 春風にもずっと出ていて。

その流れで鎮座DOPENESSやTHE天国畑JAPONとも一緒にやっている中で、ゆるふわギャングはこの中の一番後輩みたいな存在なんだよ。
みんなでファッションもアートもするクリエイティブチームとして動いてる。全員トラベラーだから日本も中国も…ベトナムとか、とにかく海外も飛び回って向こうのフェスに出るみたいな。だからそういう繋がりです。

一方でMEGA-Gは、ヘンタイカメラのAkira Arasawaが俺の右腕的存在なんだけど、そいつの幼馴染なんだ。家がもうMEGA-Gの隣みたいな…それでMEGA-Gが凄く喜んでくれたんだ、自分の幼馴染と俺が繋がってたもんだから。それで(MEGA-Gの2019年作である)『RE:BOOT』を作ってた時に「どうしてもYOU★さんのシャウトが欲しい」って言ってくれて。MEGA-Gはもう俺も認める…誰もが認める超HIPHOPヘッズだからさ、良いよって言って、ヘンカメのスタジオで”Outta here”を録ったんだ。

─別に”Outta here”が、今はトランスなシーンにいる自分からHIPHOPに対する置き土産、と言う訳ではなかった?

YOU THE ROCK★:
いや全然…ていうか、ビートについては別にどんな音でも乗るからさ。俺はVIPとしてレゲエもやってるし、スカもやるし、テクノもやるし、トランスもやるし…もちろんトラップだってやる。

“Outta here”は最後に「MEGA-G、ブチかましてくれ」って締めるけど、MEGA-Gのライブではあのシャウトが鳴って、MEGA-Gが登場してライブが始まるらしいんだよね。そういう後押し的な要素もあるし…でもまあ、”Outta here”の内容は悲しい話をしてるじゃん、「誰も生き残れなかった…」みたいな。あのシャウトは俺のHIPHOPに対するハートブレイクなんだよね、どのツラ下げて顔出せば良いんだ、っていう。

今だって全然そういう気持ちはあるよ、そういう気持ちは今回のアルバムにも込めてあるし。それが(後ほど話す)今回のアルバムのイントロにも繋がってるね、「一体何の話だ、今更無理だ」っていう。

─なるほど…ここで12年ぶりのアルバムリリースに続くもうひとつのサプライズ、THA BLUE HERB RECORDINGSからのリリースという側面についても聞かせて下さい。そもそもILL-BOSSTINOさんが”A Sweet Little Dis”や”人斬り”でYOU THE ROCK★さんをDisったとされるなど、当時はビーフの関係にあったのでは、とされてきました。そこから和解に至る経緯はどんなものだったんですか?

YOU THE ROCK★:
バトル…別にしてないよ笑 響き合ってた、共鳴してた笑

ILL-BOSSTINO:
当時は俺がそうやって一方的に相手を削って出てきた訳なんだけど。YOU★ちゃんはそれを受けて立つというよりは、そこを飛び越えて当初からライブを見に来てくれたりしてたんだよね。でもまあ(積極的に関わるというよりは)3年に1度くらい現場で一緒になるとか、それくらいだったね。ちゃんと関わったのは俺のソロアルバム『IN THE NAME OF HIPHOP』(2015年)収録の”44 YEARS OLD feat. YOU THE ROCK★”で一緒にやろう、ってなったのが最初かな。

当時の一連のDisソングも、東京のシーンに対して色々思うことがあったし、その中でもトップはYOU★ちゃんなんだと札幌にいながら思ってたから。別に俺らは、オーバーグラウンドにいる奴らとアンダーグラウンドにいる俺たち、みたいな二極構造でシーンを捉えてた訳じゃなくて。東京にいる奴らを持ち上げて「東京のHIPHOPが日本のHIPHOPだ」みたいに語るメディアとかが気に入らなかった感じだった。

でも(そうしたDisに対して)YOU★ちゃんの反応は意外だったね。YOU★ちゃんはすぐにどっかのクラブに会いに来て、電話番号渡して「あとで電話くれ、話そう」って言ってきて、実際に話した。もっと好戦的かと思ってた。

YOU THE ROCK★:
なんだろう、未だにDisとして受け止めてないんだよね笑 だって、ほんとのことだもん。(ILL-BOSSTINOがDisした箇所である)「日本のウィル・スミス?はいはい」とか「ストリップだけはやるなよMr.エンターテイナー」とかさ、もう注意してくれてるじゃん?実際俺はやらかすからさ、アドバイスなんだよ。

ILL-BOSSTINO:
その受け止め方がYOU★ちゃんらしいよね笑

YOU THE ROCK★:
いやいや、だってDisじゃないもん!俺の為に忠告してくれてるからさ、そこまで俺のこと言ってくれてるんだなって。だってムカつく奴がいたりしてその日「腹立ったなー」って思ってもさ、そこから曲にして人をDisするって、すげえエネルギーがいることなんだよ。そこってLove & Hateで表裏一体の部分なんだけどさ、どっちもエネルギーの塊な訳じゃん。ってことはさ、俺のことを気にしてくれてる奴なんだから会いに行けば、話せば良いじゃんって思った。だからみんなが(ビーフとして)期待してることなんてひとつも起こんなかったよ。言い訳じゃないんだよ、これ。

ILL-BOSSTINO:
そう言われたらそうなのかもって思うな。こうして人間対人間でバッと来られて話すと、それは面白い奴だなってなるよね。俺らものし上がっていく為に当時溜まってたフラストレーションを爆発させたわけだけど、逆に、YOU★ちゃんも俺もタメだけど、同い年で下手にヘコヘコしながらシーンに出てくるなんてダサいじゃん。「YOU★くん初めまして、自分、札幌でやってるBOSSっていいます」みたいなさ。俺がどういう想いを持ってやってる、どんな奴かをちゃんと知らせないと対等な友達にもなれないし。

だからそれに対してYOU★ちゃんがそういう対応を返してきたのは、意外だったけど面白かったな。

─こうした流れの中でYOU THE ROCK★さんが発表したのが『NO SELL OUT ’05』(2005年)でした。超陽性かつキャッチーなパーティーアルバムだった本作は、Disに対するカウンター的側面などもあったんでしょうか。

YOU THE ROCK★:
これはどっちかって言うと業界に対するメッセージだったね。だって「NO SELL OUT」って宣言するってのはさ、逆に言うとそれまではセルアウトしてたって認めてるんだよ。「でも今回は違うぜ」って、そういうアルバムだったんだ。もっと言うと、俺って当時タレントで完全に芸能人だったじゃん。それはセルアウトじゃなくてセルインって気持ちでやってたんだよね。(芸能界の)中に入って爆弾仕掛けてぶっ放してやるぜ、HIPHOPの力を見せてやるぜっていう。

やっぱHIPHOP、ラッパーってイメージ悪かったしさ、そうじゃないよ、みんな知性もあって頭の回転が速くてユーモアがある奴なんだ、って見せたかった。でもラッパーって口下手な奴多いじゃん、だから俺が行った。で、それまでの姿勢とは決別するって意味で作ったのが『NO SELL OUT ’05』だね。だからDisに対するカウンターとかではなかったし、そこはリスナーも成熟しきってないが為の勘ぐりだったかもね。

ILL-BOSSTINO:
まあでもやっぱり、俺らが(THA BLUE HERBとして)東京に喧嘩売ってシーンに出てったことに対する思いやスタンスは変わらないからね。俺とYOU★ちゃんっていう個人同士の関係ではこういう流れになったってだけで。最初からガッツリ俺らの姿勢を出していったからこそ、結果としてYOU★ちゃんとも対等に繋がれたと思ってるよ。

YOU THE ROCK★:
俺らは同い年だし、どっちも地方出身だから。お互い東京っていう当時の中心を目掛けてかましてやるぜって姿勢は一緒だし…だから気持ちはすげえ分かるんだよ。長野出身の俺とか、名古屋出身のTWIGYとかはさ、もう「ラップをやる為に」東京に来てたんだ。そこは東京の街で遊んでるうちにHIPHOPってカルチャーを掴んで自然とやるようになって、ってのとは話が違うんだよね。そういう姿勢で東京に来てたから、(札幌でストラグルしている)THA BLUE HERBの気持ちとかは分かる気がしたんだ。

俺自身も”証言”でスチャダラパーのことを歌ったことがあるからさ…もう当時は頭にきちゃって。

だから俺もDisの経験者だし、それがブーメランになって自分に返ってくるのが分かるんだ。あのあと俺は”DUCK ROCK FEVER”って…俺の1番のヒット曲を(スチャダラパーの)シンコちゃんと作ったからさ、もうそこで終わった話なんだよ。でも俺は毎週末、証言を歌うたびにそのラインを歌わなきゃいけない。そうなるとすげえ辛いんだよ、俺だけ自分で苦しんでる。そういうのを俺も通ってきたから、(THA BLUE HERBにDisられたときは)ガンと受け止めてビーフするより、合気道みたいにさ、すっと流して対処したかったんだ。
そうしたからこそ今こうして友情が芽生えたんだと思ってるよ。

アルバムの話が出たときの飲み会も、元々重たい話から始まってたんだ。「死のうかな」って。


─あのDisについてここまでの逸話があったとは…。それではここから、両者が組んだ本作『WILL NEVER DIE』のお話を聞かせて下さい。まずはYOU THE ROCK★さんがアルバムを作ろうと思った経緯について…元々ILL-BOSSTINOさんとの”44 YEARS OLD”(2015年)を作ってすぐ、本作の話が出てきたんでしょうか。

ILL-BOSSTINO:
結果的にあの曲で接近して更に仲良くなったわけだけど、アルバムの話が出たのは2019年の冬だね。

YOU THE ROCK★:
2019年12月1日、居酒屋で飲みながら。BOSSがライブで東京に来るとき、いつも行く中目黒の飲み屋があってさ、そこで。

ILL-BOSSTINO:
最初は(THA BLUE HERBのビートメイカーである)「O.N.Oと1曲作ってみれば?」みたいな話を俺がしたんだよ。で、そのまま30分後くらいにはアルバムを作るって話になってた。YOU★ちゃんの反応は…二つ返事ではなかったね。相当混乱してたってのもあとから知ったけど、15秒くらい間があってから「分かった」って言ってくれた感じかな。

YOU THE ROCK★:
もう頭ん中真っ白だったよ。15秒くらいの時間だったんだけどさ、その間に凄く色んなことが頭の中を巡って。「こいつは何言ってんだ?いやでもBOSSだぞ、BOSSが俺とディールするって言ってくれてるんだぞ?今掴まないと、他に誰が言ってくれるんだ?」って、今でもそのときのことは忘れないよ。元々…その日の飲み会もすげえ重たい話から始まってたんだ。ぶっちゃけ「もう俺毎日死にたいと思ってる、死のうかな」って言ってて。これまでまともに働いたこともなかった中で今なんとか食いつないでてさ、もう地獄だ、って感じだったんだ。

でもBOSSがアルバムの話を出して、言ってくれたんだ。「YOU★ちゃん、1年だ。この1年頑張れば、1年後には全然違う景色が見えてるから」って。ほんとにそのときは…いまこうして普通に話せてるなんて想像出来ないくらい、人前に出ることなんて考えられなくて。

─ILL-BOSSTINOさんは、YOU THE ROCK★さんのそういう状況を知ってたからこそオファーしたんですか?

ILL-BOSSTINO:
全然そんなことないよ、そんな話それまで聞いたこともなかったし。もちろん、ずっとストラグルしてる姿を見てきた中で、察してはいたけどね。でもそうだからと言って、「このディールで逆転しようぜ」って手を差し伸べるようなことでは全くない。もっとシンプルに、「アルバム出してないじゃん、出せば?」って、それだけだったね。まだ言いたいことあんだろ、俺も聴きたいし、ってことだよ。もちろんアルバムを出した結果として何かが変わるとは思ってたけど、それ自体が理由ではないね。

─そうしてディールが決まったあと、制作はどのように進んだんでしょう?

YOU THE ROCK★:
翌2020年の2月から5月くらいまでの間に、O.N.Oちゃんからビートが届き始めたんだ。でもリモート環境ってのもあったり、PCの調子が悪かったりが重なって、あんまり埒が明かなくて。全然制作も進まなくて、俺も「この作品でなんとかしなきゃ」ってプレッシャーも凄くて…BOSSからも「YOU★ちゃん大丈夫か」って凄く心配された。O.N.Oちゃんのビートもさ、もうビートって言うか、綿密に編み込まれた音楽なんだ。だからちゃんと分からなくて。

それで「これは何となくでやったんじゃダメだ、ちゃんと札幌に乗り込んで、直接話をしながら作らないと」と思って、札幌に飛んだんだよ。で、(TBHのスタジオで)O.N.Oちゃんとミキサーを挟んで向かい合って、「O.N.Oちゃんこのあとこう展開してこう来るけど、これで何小節なの?」 「あ、サビってこっからなの?」みたいな、そういう凄くシンプルなキャッチボールを繰り返したんだ。

7-8月、10月の2回くらい行ったかな。夏に6曲、秋に11曲のプリプロが出来て、そのあと12月に(北海道)江別のSTUDIO SMASHで歌入れをして…そこでBOSSも本格的に参加してくれた感じだね。だからそれまでは俺とO.N.Oちゃんの2人体制でやり取りする感じだった。

─では、ILL-BOSSTINOさんは特にディレクションで深入りした訳ではない?

ILL-BOSSTINO:
プリプロの時点ではたまに2人が作ってるところに行って、こういうテーマのリリックを書いてみたらどう?とか、この曲の3Verse目はこういう話をしてみたらどう?とか口出してた感じだね。その後俺の声入れをしたりだとかは、あくまでレコーディングのときにした。プリプロの時点ではもうYOU★ちゃんとO.N.Oの2人で作り上げた感じだよ。

─では、アルバム全体のテーマや構成を決めていったのもYOU THE ROCK★さんとO.N.Oさんという布陣で?

YOU THE ROCK★:
うーん、アルバムのコンセプトはこうしようとか、全然話さなかったんだよね。それよりももう、毎晩「明日はどんな曲を作ろう」って2人で飲みながら相談する感じ。プリプロ作るのと同じくらいの時間を掛けて毎晩話し合ってたな。で、次の日スタジオに行くときには「今日何をするか」はもう決まってるんだ。そんでスタジオで、O.N.Oちゃんが持ってきたビートを聴きながらリリックを書く。

それってめちゃくちゃ贅沢な作り方なんだよ。普通は家でリリックを書き貯めてからスタジオに録りに来るもんじゃないですか。スタジオ代も掛かるし、そこにエンジニアさんも来てもらって…って費用が掛かるし。それを今回は全部O.N.Oちゃんに付き合って貰ってそんな作り方をさせて貰った。1Verse書き終えたら「録るよ」ってブース入って、終わったらまた1Verse書き始めて、終わったら録って。それを色んな曲を同時並行してやってたから、煮詰まったりすることがなかったね。ちょっとどうするかなってなったりしたらタイミング良くBOSSが入ってきて「ここはもっとYOU★ちゃんのHIPHOPに対する愛を…」とかディレクションしてくれるわけ。

だから、そりゃ良いもの出来るに決まってるでしょっていう。これって贅沢であると同時に、ある意味ラップを始めた高校生くらいのやり方に戻ったってことでもあったんだよね。友達の家でレコードを聴きながらリリックを書いてた時みたいなさ、これがやりたかった録り方だ、って思った。スタジオへのアクセスだってさ、これまで10枚アルバム出してた時は偉そうにタクシー乗ってドアtoドアで移動してたのが、今回は毎朝自転車乗ってスタジオに通って。すげえフィジカルな録り方だったし、初心に戻った感じで清々しかったね。

─じゃあ最初にアルバムコンセプトを固めたりしたわけではなく、O.N.Oさんと二人三脚で1曲ずつの積み上げだったと。
 
YOU THE ROCK★:
俺ってマシンライブやるのはもちろん、ドラムマシンも秋葉原に道具買いに行って自分ではんだ付けして作ったりするくらい機材好きなんだよ。やっぱり師匠(ヤン富田)が師匠だしね、そこの美学はあって。で、もちろんO.N.Oちゃんもテクノとかもすげえ詳しいし機材好きな訳じゃん。

だからまず、単純に気が合ってすげえ盛り上がるんだよね。それで俺の話をO.N.Oちゃんがずーっと聴いてくれてるとさ、そこから俺の想いみたいなものを掴み取ってくれるんだ。翌日スタジオに行ったらもうビートがあって、「おーこれだよ!」ってなるんだよ。

俺は今回のアルバムをTBHRのもとで作ったけど、「TBHRの作品だからこうなる」みたいにしはしたくなくて。「TBHRの中でTBHRらしくない作品を俺が作る」、そういう意識でやってた。

─”MOVE THE CROWD, ROCK THE HOUSE”なんて、THA BLUE HERBではあまりなさそうな80年代テクノ、あるいはHIPHOPの源流的なビートですもんね。

YOU THE ROCK★:
そうなんだよ。これもBOSSが「YOU★ちゃん、パーティチューンは絶対作ってくれ」って言ってきたからこうなったね。O.N.Oちゃんとも「やっぱYOU★にはやってもらおうぜ」って話してたらしくて。

ILL-BOSSTINO:
だね、やっぱりTHA BLUE HERB的なビートの上にYOUちゃんを乗せて化学反応を待つ、って話ももちろんあった。でもYOUちゃんがこれまでに積み上げてきたもの、周りにいた人、そういうものを反映したものにしないと絶対につまんないものになってしまうとは思ってたからね。

─そうした結果として、ご自身の過去やHIPHOPへの想いを語る曲が増えたことについてはどう捉えていますか?

YOU THE ROCK★:
もちろん意図的にそういうトピックが多くなってるし、でもそれと同時に…誰よりも新しいものを作ろうって意識だったね。Trapを超えるBoom Bapを作ろうって思ってたし。まあ、Boom Bapって言葉すら俺は疑ってんだけどさ。もっと自由にラッピンしてるもの、ってつもりで作ったよ。

それで結局17曲出来て。でもこの沈黙してた11年間を詰め込んだんで、「ファンの皆様どうかお納め下さい、これで許してください、17曲あるんで!」って感じだね、年貢を納めたんだよ。

─その意味では、前半に直球な…いわゆるBoom Bapが固まっていて、後半にいくにつれエクスペリメンタルな側面が強くなる気がします。この曲順はどのように決まったんでしょう。

ILL-BOSSTINO:
これはO.N.Oだね。プリプロの段階でほぼこの順番になってた。

YOU THE ROCK★:
そう、それでこの順番でレコーディングした感じだね。歌い入れも1日3曲とか録ったんだよね、もうすげえ大変。1曲でも終わらないと次の日のスケジュールにも影響が出てくるからさ、失敗出来ないしすげえプレッシャーだったよ。

しかも最初に決意表明から始まって最後に周りの人に感謝を伝えて終わるっていう、アルバムの曲順で声入れした訳だから、そういう制作過程や心情がもう声に出ちゃってるよね。最初の”ON FIRE MORE LOUD ACTION”とかさ、もう緊張してるもん、声が。そのあと”SAPPORAW CLASSIC”でちょっと楽し気な感じになるんだけどさ、また後半の”ILL中目黒BLUES”, “YOU KNOW HELL? I KNOW WELL”, “ELEVATION”とかになると大気圏突入するみたいなテンションになってんだよね。あそこはアルバムのハイライトでもあるし、レコーディングとしても佳境だったよ、俺この辺の曲録る前日は怖くて寝れなかったもん。

でも心のデトックスになってるとは言われるね。歌ってるうちに心情も変わってきて、段々浄化される感じ。だって今回のアルバムって、俺誰のこともDisしてないんだよ。誰に対してもDisらない、自分についての話をするって俺の中で革命だと思うんだよね。

TBHRは一個小隊なんだけど、だから強いんだって分かったよ


─イントロとなる”TAKE YOU AND ME BACK TODAY”で心情を語り、明けた最初の曲”ON FIRE MORE LOUD ACTION”で決意表明する流れは迫力ありますね。特に”ON FIRE MORE LOUD ACTION”の途中で挿入される「クソーー!」というシャウトが、リリックと同じくらい雄弁です。

YOU THE ROCK★:
“TAKE YOU AND ME BACK TODAY”は前口上だね、ちゃんと挨拶して入るっていう。あれも語りなんだけどさ、ちゃんと音に合わせて最後の「I’m Back!」で落とすの結構難しくて。でもライブでやれば絶対ハマると思ったんだ、ある意味MEGA-Gの”Outta here”の続編的な曲だよ。

“ON FIRE MORE LOUD ACTION”のシャウトについては…あれはもう社長(ILL-BOSSTINO)の意見だね、「YOU★、ここで叫んでくれよ」っていう。あのやけっぱち感がハマる…ハマってしまうんだよね。

─この叫びはご自身の煮え切らなさはもちろん、シーンに対するいら立ちみたいなものもある?

YOU THE ROCK★:
ありますね…最近のバトルやフリースタイルブームとかがちょっと思ってない方向に進んでたりだとかって思いもある。
見てて楽しくない、ヒップがホップしないんだよ。そういうのを見ていて「お前ら全然楽しくねえよ」って、シーンに対するストレスは相当あったね。「お前らの自由ってそんなもんなのかよ」 「お前らの韻って人のことをけなす為にあんの?だっせーな」とか、すげえ思うよ。

だって、俺たちはわざわざ戦う必要なんてないはずなんだよ。HIPHOPの成り立ち知ってるのか、ギャングが争わないように、ユニティする為にヒップをホップさせたんだぜって。サンプリングだってそう、盗んで昇華するもんなんだぜ、そのまま使ったって意味ねえよって。
そういうのを全部無視してお前らは勝ち負けを付けようとするのかよ、それって戦争って言うんだぞって思うよ。でもこんなバトルブーム、すぐに廃れんだろって思ってたらなんかどんどんコンテンツも増えて拡大してて、あれれ?って感じだね。

俺ってそもそも元スノーボーダーで、その前はスケーターやってて…プロのスケーターになれないからラッパーになったと言っても過言ではないんだけどさ。それでスノボもスケートもそうなんだけど、上手い下手のコンペティション化しちゃって…特にオリンピックの競技種目になってからは、もうダメなんですよ。(フリースタイルスノーボードの祭典である)X Gamesとかって超自由でフリースタイルなんだけどさ、オリンピックになるとそこに勝ち負けが付いちゃって、ルールもなんかせまーくなっちゃう。だからこの辺の競技の、本当に上手い奴ってオリンピックには出てないんですよ。出れば絶対勝つんだけど出ずにスタイルを貫く、だって本来そういうもんじゃねえから。「高さがどれくらいで、回転数がどんくらいだからこっちの勝ち」とか、そうじゃねえんだよって。

日本のフリースタイルブームもそれがモロに出てて…「韻はどっちがどれくらい堅い」とか「フロウのバリエーションはこっちが多い」とかさ、やめろよって。

ILL-BOSSTINO:
YOU★ちゃんごめん、俺別の予定あるから一旦ここで抜けるね。

YOU THE ROCK★:
了解、またあとでな。

─ILL-BOSSTINOさんが局所参加しているのを除くと、客演としては唯一初回特典曲にJNKMNさんが参加していますね。

YOU THE ROCK★:
ジャンメンはもう毎日連絡とってる仲だからね。ゆるふわとかの繋がりで仲良くなって。愛溢れる奴だし、会えばいつも機嫌良くしてくれて…作品制作も凄く考えてやってるしさ、才能の塊だと思ってるよ。やっぱゆるふわもJNKMNも、そして俺も、いわゆる「日本語ラップ村」になんかいたくないと思ってる奴らで。もっとデカい世界に飛び出したいって思ってる存在なんだ。

これって意識として凄く大事なことで。日本の人はすぐ「HIPHOPとは」とか、こうあるべきとか固めたがるじゃん。でもそんなことない、ほんとはもっと自由にやって良いものだからさ。Kanye Westにしたってさ、自由じゃん。カニエが提示すれば事後的にそれがHIPHOPになるみたいな…新しい世界に連れて行ってくれる。

でもまあ、本編に客演を入れないって決めたのは途中からだね。最初はやっぱり色々考えることはあって…でも、考えだすと収まりつかないからさ、「今回は俺だけでやってやる」って思ったんだ。やっぱり今回のアルバムの内容からしても、客演を入れると薄まるというか、方向性が逸れる可能性はあるから。今回の想いを聴き込ませるためにも、1人でやることにしたんだ。

それでも、今回のアルバムって俺のファンはもちろんのこと、TBHRのファンに向けても歌ってる訳だからさ。勘が良いリスナーなら後ろにBOSSとO.N.Oちゃん、(DJ) DYEの姿が見えてくると思う。全面バックアップなんだ、だからTBHRなんだよ。

─確かにBOSSさんが本作、ひいてはYOU THE ROCK★さんに向ける愛情の深さは伝わってきます。

YOU THE ROCK★:
そう、マジで愛なんだよ。俺の為にここんとこずっと1人で大阪行って名古屋行って京都行って…って1日何百人にも会って、駆けずり回って頭下げてて。今だってインタビューを抜けて出掛けていったけど、これも俺の為に挨拶回りしてポスター貼りに行ったんだ。あのBOSSが、俺の為にだよ。

プロモ盤とかリスナーへの諸々の発送だってさ、宛名のひとつひとつ手作業して、梱包もしてくれて。ああいう姿見てると俺もう何にも言えなくなっちゃって…絶対に頑張らなきゃって思うし、もう俺の家族まで「BOSSさん凄い」って感激してて。TBHRは一個小隊なんだけど、だから強いんだって分かったよ。強いインディーズの理想像なんだって。

─TBHの3人のあらゆる面での全面バックアップだったと。DJ DYEさんもスクラッチで曲をサポートしてくれていますね。

YOU THE ROCK★:
あれもBOSSが考えてネタ選びしたのをDYEちゃんが絶妙にスクラッチしてくれて。もちろん俺の声ネタも入ってるし。

ちなみに”YOU KNOW HELL? I KNOW WELL”で「過去の栄光は増えねえから失せろ」ってラインがあるんだけど、これについては自分の想いとしてそう書いたあと、東京に戻ってTBHの曲を聴いてたら、ほとんど同じラインがあることに気付いたんだ。それが”MY HEAT”(『HEAT(灼熱)ORIGINAL SOUNDTRACK』(2004年)収録)の「過去の栄光は喰えねえから捨てろ」って部分で。無意識で書いたんだけどさ、ビックリしてO.N.Oちゃんに「BOSSと同じライン書いちゃったよ!」って電話したら「知ってたよ笑」って言われて…「言えよ!」って笑

でももちろん心情としてシンクロしたから出たものだし、TBHファンならニヤリとする部分にはなったかなって。

今回のアルバムが1stであり遺作だと思ってる


─声ネタを幾つか使ってはいるものの、あまりYOU THE ROCK★さん自身が過去のリリックを引用したりする箇所はあまりないように思えます。あまり過去作品に言及しない、引用しないのは意図的でしたか?

YOU THE ROCK★:
そうだね、意図的な部分。『SOUNDTRACK ’96』からは引用しようかなとか悩んだりもしたんだけどやめて…これって凄く大事な部分で、俺は今回のアルバムが1stであり遺作だと思ってる。それくらい過去の作品とは区切りになったし、何より気に入ってるし。

俺も親友たち…DEV-LARGE, 石田さん(ECD), DJ KENSAWにしても死んでいっちゃう中で、もう毎日悲しみの果てで涙が出てくるんですよ。
俺は家の神棚に石田さんとDEV-LARGEを祀って毎日お水をあげて手を合わせてるんだ、「今日もやってくるよ」って。だから今回のアルバムの位置付けは凄く重いんだ、裏ジャケはお墓だからね。

俺って『NEVER DIE』(1992年、YOU THE ROCK & DJ BEN名義)でデビューしたんだけど、そこから今回の『WILL NEVER DIE』になったことで、要は「死」っていうのが現実的な未来系の話として置き換わってるんだよね。デビューしたあの頃の想いをそのまま捨てるのか、それとも現実感を持って意思を燃やすのか…俺にとっては凄く大事なテーマで。だから、俺みたいにやらかして地獄まで落ちたりして…そんな奴はもうそのままの場所にいても良いし、でも、もう一度立ち上がっても良いんだぜって。そういう想いを持って作ったアルバムだから、今回の作品は原点回帰というよりも、再起逆転って位置付けだね。

─そしてそういう想いを吐き出す作品を成し遂げたのも、THA BLUE HERBの3人のサポートあってのことだと。

YOU THE ROCK★:
そう、こんな意思をもって17曲作ってさ、「やっちまった」とも思ったんだよ。17曲覚えるのは大変でさ。でもTBHの3人が横にいたから…煽られるし、やるしかないよね。

だって「俺たち2枚組のアルバムって作ったことなかったよね」ってだけで30曲入りの2枚組アルバム(『THA BLUE HERB』(2019年))を出すような奴らが同い年で、しかも横にいる訳で。やめてくれよって感じだよね。

─”SAPPORAW CLASSIC”は、そんなTHA BLUE HERBの3人とYOU THE ROCK★さんの信頼関係が垣間見える、本作では息抜きとも言える朗らかな内容になっています。

YOU THE ROCK★:
この曲はもう大好きなんだよね、楽しくて。俺は父親が長野県なんだけど、実は母親は北海道にいて。両方雪国だからその意味でサラブレッドなんだけどさ、その視点から、俺の思う札幌ご当地ソングを好きに書かせてもらって。もうサッポロビールとかから仕事欲しいよね、待ってる笑 この曲の前後は緊張感があるだけに、息抜きポイントだよね。

─他の曲で言うと、”ヘビの学校”も他とは異なる色彩の曲ですね。バッキンザデイものですが、エピソード自体が凄く特殊で。

YOU THE ROCK★:
この話はBOSSが好きでさ、「YOUちゃんあの学校の話もっかいしてよ」って何回も言ってくるエピソードなんだ。俺がいた小学校が信州大学傘下の…なんか国主導の実験的なプログラムの学校で。入学式の日にクラスで飼いたい動物を聞かれて、俺のところはヘビになって、それを6年間観察・研究するんだ。他のクラスではシカやヤギ、カラスを飼ってたりして。義務教育の漢字は小2とかで大体終えちゃうし、時間割も通知表もないような…凄く特殊で。それでみんな東大目指すみたいなところで…だから曲中でも言ってるように、小2でもう公民権運動のことを勉強したりしてたんだ。だからBOSSに言われて書き始めたものだけど、俺もラッパーだからさ、このエピソードから何が言えるのか、ってことは凄く意識したよ。

─本作の特徴として、今言われたような、人種差別や社会問題に対する見識が散りばめられている点があると思います。マーク・トウェイン『Adventures of Huckleberry Finn』への言及(“THINK ABOUT WHY YOU STARTED”)や公民権運動を学んだ過去(“ヘビの学校”)など…。自身のルーツを振り返る側面の強い本作で、こうしたリリックを押し出していった理由を教えて下さい。

YOU THE ROCK★:
俺は元々YOU THE ROCK & DJ BENとして”TIGHT BUT FAT”とかを発表してた時からコンシャスだったしね。Beastie Boysから入って、Boogie Down ProductionsやPublic Enemyに出会ったときから…「これって小学校のときの俺じゃん!」って繋がった。だから元々の出自がコンシャスなんだ。

でもその後、HIPHOPもバブルな雰囲気になってくると、HOUSE OF PAINやNAUGHTY BY NATUREが日本でも流行って…俺も日本でのツアーに付いてってライブするんだ。そしたらさ、日本の客から缶とかビンがマジで飛んでくるんだよ、「もっと景気のいい曲歌えや!」つって。

その気持ちは分かるんだけどさ、俺もドHIPHOPだからこれで行くんだよって思いがあった。そんな狭間で結構もがいて…結局『SOUNDTRACK ’96』を出すまでに一回気持ちが折れちゃうんだよね。それが22-3歳の頃で、そのときはブラックなこともやって金稼いで、それでNYに行ってインドに行ってってして色々取り戻して…そのときの話をしてるのが”GO AROUND”に当たるんだけどさ。
当時はここで言えないような…大抵のことはやってたから。

─ご自身の苦闘した過去も込みで今回全て詰め込んだからだと。一方で、それを支えてくれた人たちへのリスペクトも随所に窺えます。

YOU THE ROCK★:
そう、黒いことやってたときに石田さん(ECD)に誘われて”MASS対CORE”(ECD『ホームシック』(1995年)収録)で色んなフラストレーションをぶつけたらバズって『SOUNDTRACK ’96』に繋がる訳だから…ほんとに石田さんのお陰なんだよね。

俺と石田さんは同じ人を師と崇めてたし、17歳の頃から面倒見てくれていて…ほんとに兄さんって感じで。だからそういう人たちへの想いも詰まってる。”カオスパニックインエイジア”のHOOKで「Insearch of Miracle 常に意識の拡大」って歌ってるのは、ヤン富田先生に捧げてるんだ。「クスリとかで新たな感覚を得るよりも、音楽を聴くことで意識が拡大する感覚を得ようぜ」っていうさ。だからあの曲はトラックもスペイシーな…シンセサイザー好きな俺のリクエストもあってO.N.Oちゃんが仕上げてくれた。この曲を車運転しながら聴いたりすると絶対ヤバいんだよ、意識をどっかにもってく為の曲だからさ。

だからそういう想いも含めて俺の考えてること、想いをズル剥けにしてくれたO.N.Oちゃんには感謝してる。何よりこの年になって、こんな新しい親友が出来るとは思わなかったね。だから4人でやった去年の制作はほんとに楽しくて。世の中が大変な1年だったのは重々承知だけど、俺にとっては「こんな中学に戻ったような、楽しい時間を過ごしていいのか」って期間だったんだ。青春がまだあったみたいなさ、恥ずかしいけど笑 そういう場をTBHが作ってくれたから心が洗われて…元に戻った気がするよ。

─TBHRからのリリースという点でいくと、”LONESOME SOLDIER”も凄く特殊な曲ですね。

YOU THE ROCK★:
そう、TBHRからレゲエが出るなんて思う訳ないじゃん。内容はメディアに対するHypeなんかのコンシャスも入ってて。やっぱりレゲエはレベルミュージックだから、そういう姿勢になるよね。”ヘビの学校”と同じ意識だよ。

─”ILL中目黒BLUES”についてはいかがでしょう。

YOU THE ROCK★:
このタイトルはSHINGO★西成くんの”ILL西成BLUES”のインスパイアだね。やっぱりSHINGO★くんのブレない姿勢には喰らうものがある。
いつも痺れるな、かっけえなって思わされちゃう。だからこそ、痺れるだけじゃなくて自分なりに曲に還元してみたよ。

─最後の”FOR YOU FROM YOU”と”PARTY OVER HERE”は思い入れの特段強い曲ではないかと思います。こうした曲を今回アルバムに収録しようと思った、その思いについて教えてください。

YOU THE ROCK★:
やっぱり今回のアルバムを制作する中で、嘘偽りなく思った部分だよね。本当にみんなに対してありがとうって思った、ここまでバイトして気張ってきて良かったよ、って。それから最後に「みんな気を付けて帰れよ」って、もうドリフの「歯磨けよ!」みたいなさ、快く送り出して終えてる感じ。そこまでみんなの面倒を見て送り出すっていうのがやっぱさ、ユウちゃん DA 兄貴としての責任だから。

─コンシャスに強いメッセージを打ち出して、最後に兄貴としてみんなを送り出す作品になってると。

YOU THE ROCK★:
そう、だから結果的にだけど…今のこの時流がハマった部分もあったと思うよ。例えば新型コロナウイルスなんてなくて、去年オリンピックが開催された中でこのアルバムが出てたら…みんな「今盛り上がってるんだから、あとにしてくれ」ってなってたと思う。こういう暗く沈んだ社会になったからこそ、俺のメッセージもちゃんと受け止められるものになったと思うんだよね。

俺も深く沈んだところから哀愁を持って歌うことで…苦境から生まれたブルーズに近いものがあるというか。だからこそ今回のアルバムは本質的にHIPHOPだと思うし、今だからみんなに刺さる内容になってるんじゃないかって、そう思ってるよ。

─ありがとうございました。

以上(2021/05/11)
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作品情報:

(ジャケットクリックで販売先へジャンプ)

Track List:
1. TAKE YOU AND ME BACK TODAY
2. ON FIRE MORE LOUD ACTION
3. MOVE THE CROWD, ROCK THE HOUSE
4. GO AROUND
5. カオスパニックインエイジア
6. THINK ABOUT WHY YOU STARTED
7. ヘビの学校
8. FLASH BACK SO FRESH
9. SAPPORAW CLASSIC
10. LONESOME SOLDIER
11. NOBODY BEATS THE YTR★
12. T.O.U.G.H.
13. ILL中目黒BLUES
14. YOU KNOW HELL? I KNOW WELL
15. ELEVATION
16. FOR YOU FROM YOU
17. PARTY OVER HERE

Artist: YOU THE ROCK★ 
Title : WILL NEVER DIE 
Label : THA BLUE HERB RECORDINGS
発売日 : 2021年05月12日(水)

①生産限定盤(2CD)
フォーマット : 2CD(INST CD、歌詞カード付属)
品番 : TBHR-CD-035
税抜価格 : 4,000円
バーコード : 4526180551638

②通常盤(CD)
フォーマット : CD(歌詞カード付属)
品番 : TBHR-CD-036
税抜価格 : 3,000円
バーコード : 4526180551645

共通(通常/限定)初回店頭購入特典
「YOU THE ROCK★ / THINK ABOUT WHY YOU STARTED [REMIX] feat. JNKMN, ILL-BOSSTINO」収録のCD
※注意 : 特典付与店舗に関しましては各位店頭で事前に御確認ください。無くなり次第終了致します。

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▶THA BLUE HERB: Twitter

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