Column/Interview

Jin DoggやARKHAMといったアーティストの台頭により、特に若いリスナーから熱狂的な支持を受けるトラップメタル。あえてミックスを崩して歪んだキック、陰鬱な歌詞と映像、シャウトも厭わない激烈なラップスタイル…ジャンル名の通りHIPHOPとロック(メタル)を過激に横断するこのジャンルだが、その中でもこの3人を知るリスナーはまだ全国ではそれほど多くないかもしれない。

GNB AAlucarD, ₩, ORIGAMI…3人とも18-19歳で、ラップを始めて1年ほど。しかしそのスキル、過激なスタンス、そして裏に垣間見えるカリスマ性…。”LOL My Life”のMVや彼らのSoundCloudの音源を聴けば、彼らが2021年にブレイクすることを確信出来るはずだ。

“LOL My Life”で₩が叫ぶ「XXXキメまくって遊ぶ」のパンチラインに代表されるようなそのイリーガルさ、暴力性。しかしインタビューの中で見えてきたのは、彼らが如何に音楽に真摯に向き合い、綿密にプランを練っているかということ。

「カッコ付けないで全力でやる、一番カッコ良いってのはそういうことです。本気出してやった方が絶対楽しいし、全力で考えてやってます」

確実に来るとPRKS9が断言出来る理由は、彼らの言葉の中にある。

 
登場する主なアーティスト(順不同):
 
ARKHAM, Shaun Pxlly, LEX, Lil Pump, Smoke Purpp, Lil Peep, GHOSTEMANE, THE BLUE HERATS


─まずは自己紹介をお願いします。
 
₩:
じゃあ俺からいくわ。
₩(ウォン)です、2001年生まれの19歳です。
出身が韓国で、日本と韓国を行ったり来たりしてます。
幼稚園は韓国で過ごして、小学校の時も何回か帰ってたり。
(韓国出身という部分は)自分の中では結構ルーツとして大事にしてますね、好きなラッパーも韓国の人が多いですし。
 
今は東京に住んでて、普段は…友達と家ん中に溜まってとにかく音楽に触れてます。
(₩)

ORIGAMI:
ORIGAMIです、18歳です。
お母さんが韓国人なんですけど、生まれ育ちは神奈川の横須賀市です。
普段はほんとに音楽作って遊んで…この2人や仲間と遊んで、どうやってのし上がっていくかみたいなのを話し合ったりしてますね。

(ORIGAMI)
 
GNB AAlucarD:
GNB AAlucarD(アーカード)です、いま18歳です。
神奈川県横浜市出身です。
普段は音楽作って、ひたすらラッパーとしてやるべきことやってます。
(GNB AAlucarD)

₩:
まあとは言え俺ら3人ともそうなんですけど…やっぱあんまり表に出せないようなこととかもやってるんで。
ここで話すと空気悪くなるようなこともガンガンあるんで、そこは伏せてるっすね。
 
GNB AAlucarD:
僕とORIGAMIは普通の良い人ですよ、悪いのは₩です笑
ほんと最近…色々忙しいみたいっす。
 
₩:
やめろよ、僕ほんとに悪くないっすよ。
でもまあ…そんな感じでやってます。
 
 
─了解です笑 3人はよく一緒に遊んでて、今日も揃ってインタビューな訳ですが、別にクルーじゃないんですよね?
 
₩:
そうですね、クルーではなくて、互いにクロスオーヴァーしながらやってる仲良し3人組って感じです。
お互い個として上がっていくことは意識してますね。
 
ORIGAMI:
まあ初めてバズったのがこの3人でやった”LOL My Life”なんで、この3人で動いていけば間違いないかなって感じではあります。
 
GNB AAlucarD:
一応クロスジヒトリっていうクルーというか…なんか音楽的な集まりがあって、₩やORIGAMI、自分はその一員なんですよ。
 
ORIGAMI:
クロスジヒトリはこの3人と、あともう2人横浜のラッパーがいて、あとテクノとかを作ってる超音楽オタクみたいな同い年の奴がいて…その子は自分の曲もやってくれたりとか。
でもまあ特に形を決めず、緩やかに繋がってるコレクティブって感じですね。
 
₩:
特にこいつはメンバーでこいつは違って…みたいなのはなくて、気の合う奴らでゆるーく集まってる感じです。
生活の延長上で、イツメンを超カッコ良く言った感じですね。
ちなみにクロスジヒトリって名前は蛾の名前から来てるんすよ。
俺が名付けたわけじゃないんですけど結構気に入ってて。
外見がインパクトあるし、分かる奴には分かるって感じの見た目です。
 
ORIGAMI:
もちろん既に上の世代とかのクルーや集まりもある訳ですけど、別にそういうとこに自分たちが入りたいとは思わないんで。
俺らは俺らで自分たちの周りだけで大きくなっていこうって感じです。
 
₩:
要はマインドがゼロイチなんです。
0から何かを1にしたい。
もう1あるものを10にする動きとかじゃなくて。
 
 
─なるほど。それぞれHIPHOPを始めようと思ったきっかけはなんだったんですか?
 
ORIGAMI:
自分は今から2年前の…16とか15歳のときからですね。
中2や中3の頃にトラップを知って…その頃ちょうどSmoke PurrpやLil Pumpが上がって来てたんですよ。
そのMVを見てドレッドヘアだったりWeedだったり、そういうHIPHOP的な、トラップカルチャーを知って、そこからのめり込みました。
そこから自分で音源を作り始めたのは高1くらいからで…でもその時はお遊び程度ですね。
ガッツリやり出したのは1年前くらいからです。
 
最初に喰らったのはLil Pumpの”Boss”とか”D Rose”(共に『Lil Pump』(2017年)収録)あたりで、
初めてハードトラップの文化に触れて影響を受けました。
そういうドレッドやブレイズのインパクトや曲のカッコ良さ…そういう自分の感動した衝撃を自分も伝えたくてやってます。
だから”LOL My Life”で自分がブレイズにしてるのもそのオマージュですね。



GNB AAlucarD:
自分は音楽をちゃんと聴き出したのは中1の頃で…その聴き始めからHIPHOPやロックを聴いてました。
最初の頃はLil WayneやSouljah Boyみたいな、トラップの原型みたいなとこを聴いてました。
ロックは本当に洋楽も邦楽も両方って感じで。
自分の周りにもロックを好きな人は多くて、ショーンくん(Shaun Pxlly)やARKHAMもロックなカッコ良さですけど…横浜はロックバンドが全然いないんですよね。
100%俺の方がカッコ良いしロックだぜって思ってます。
 
でも周りのラッパーはカッコ良い人が本当に多いです。
自分は最初の頃とか結構病んでる曲とか多くてエモな感じもあるんですけど、
今はこいつらとも出会えたし、明るい曲も多くなってきたし、病めなくなりましたね笑
 
自分のエモな部分は、中2とかの頃にLil Peepを聴いてから。
それまで自分の中でロックとHIPHOPが融合するって感覚はあんまりなかったんですけど、Lil Peepを聴いて感銘を受けて。
自分の最初の頃のエモな部分とかはLil Peepの影響ですね。
 
で、中学の頃から周りの友達がラップしてる奴多かったんで、自然と自分も始めててラッパーになってた感じです。
とは言え真剣に曲を作り始めたのは結構最近で…1年半前くらいとかですね。



ORIGAMI:
でもそれより前の、高1の時に作ってたLEXとの曲ヤバかったじゃん。
 
GNB AAlucarD:
ああ、そうだ。
LEXとは中学からの友達で仲良くて、トラップな生活を送ってたんですよ。
いまあいつはどんどん売れてでっかくなってるんで、俺も追い付きたいなって思ってやってます。
 
ちなみにあのLEXとの曲のラストとかは結構アウトな感じですけど、マジもんのやつですね笑

 
₩:
あ、あれマジのやつなの?
どっかから抜いてきた音だと思ってたわ。
まあ、普通の人はこういうの「変態じゃん」って引くと思うんですけど、俺らはそこに「リアルじゃん」って喰らう、そういう感じっすね。
 
 
─でもやっぱり、Lil Peepの影響力は凄いですね。
 その刹那的な生き方も含めて。
 
GNB AAlucarD:
そうですね、今の俺を築いたのはLil Peepです。
 
 
─₩さんが影響を受けた人や、HIPHOPを始めたきっかけはどうですか?
 
₩:
自分が影響を受けた人はいっぱいいるんですけど…強いて言うならブルーハーツは僕、本物のパンクだなって思います。
まず甲本ヒロトが生きてる。
Lil Peepみたいに死ぬところまで含めてドラマ性がある人もいますけど、生きてるからこそのカッコ良さだってあると思う。
 
Lil PeepやXXXTentacionとか、今の俺らの世代があの生き様を見て喰らうのももちろん分かるし僕も好きなんですけど、
ざっくり言うとKOHHの「I wanna be a living legend !」ってラインじゃないけど、生きてるから伝説になれるし、カッコ良いってのもあると思う。
 
その意味で甲本ヒロトは、ステージの上の立ち振る舞いとか…昔の動画見れば分かるんですけど放送禁止なことしてたり、脱いでたりとか。
 
 
そういうのって、いわゆるクールな意味の「カッコ良い」とは言えないじゃないですか、だって本人がカッコ付けようとしてないから。
それでも全力で歌って動いて、観客に何かを伝えようとしている、その姿勢がカッコ良いなって思って、自分は影響を受けてます。
もちろんメタルとかハードなサウンドも好きなんで、そういうロックも聴きますけどね。
 
GNB AAlucarD:
17, 18歳とかの僕らの世代はそうなんですけど、どっちかって言うと「ロックな生き方」をしてるのってロックの人よりもラッパーじゃね?って思ってるんですよ。
昔の時代で言うカート・コバーンやシド・ヴィシャスの生き様を、僕らの世代はLil PeepやXXXTentacionが体現してた訳で。
その意味で僕らの世代のロックスターはラッパーです。
だから僕らにとってのスター的にカッコ良いものをミクスチャーな形で…ロックやノイズやラップを混じり合った状態でそのまま聴いてますね。
 
ORIGAMI:
俺らの世代はそうだよね。
僕自身もGHOSTEMANEみたいな、メタルとHIPHOPのちょうど中間、みたいなミクスチャーな音楽にハマって、普段からめっちゃ聴きます。
それが今の自分のハードなHIPHOPの基になってると思いますね。
だからHIPHOPも聴けばメタルも聴くし、その中間も聴くって感じで。
 
 
GNB AAlucarD:
その意味だと、最近の俺ら3人で共通してるのはScarlxrdとかだね。
ノイズとどこかしらパンクを感じる…UKっぽい感じの音。
 
₩:
Scarlxrdはそうだね、もうこの道のHIPHOP好きな人はみんな好きっしょ。
 
 
─3人とも、「これはHIPHOPで、あれはHIPHOPじゃなくてメタルで…」みたいな仕切りではなく、カッコ良いものはカッコ良いものとして聴く、ってスタンスなんですね。
 
GNB AAlucarD:
そうです、俺が聴いてるものは全部カッコ良いし、その中でも俺が一番カッコ良いです。
 
ORIGAMI:
俺も自分のやっている音楽にジャンルを付けるなら、変にカテゴライズするより「ORIGAMI」って付けたいですね。
 
₩:
その辺はもう聴く側が「こいつはラップだ」「こいつはパンクだ」って好きに取ってくれて良いっすね。
僕はやっぱKOHHとかは本物のロックスターだと思うし…自分でもラッパーじゃないって言ってますし。
だから自分も自分のことはラッパーだって限定してないし、限定したくもないし、色んな音楽をやっていきたいですね。
 
で、元の質問の「なんで音楽を始めようと思ったか?」については理由がハッキリし過ぎてて。
「俺は絶対に聴いてるだけで満足する人間じゃねえな、完全に歌う側の人間でしょ」ってことです。
そこはもう「なりたい」とかのレベルじゃなくて「そりゃなるっしょ」って。
それでキャリアを始めたのが今年の初めですね。
 
 
─なるほど…三者三様なルーツを持ちつつ、「そりゃスターになるしかないでしょ」という覚悟は皆さんから感じますね。
 3人が出会ったのはどういう経緯だったんですか?
 
₩:
そこはマジでコンプラ多いんですよ笑
そこに注意して、あんま俺のこと悪く言わない形で話して笑
 
GNB AAlucarD:
そもそも僕とORIGAMIは同じ神奈川県出身ってこともあって、友達の友達くらいの感じで2年前くらいから知ってはいたんですよ。
₩くんに関しては…今年1月31日とかに西東京であったARKHAMのイベントで出会いました。
そのイベントには僕がブッキングされてて、客演でORIGAMI呼んでやってたんですよ。
そのとき、先輩から「1人友達連れてくから」って言われて、どんな人が来るんだろうって思ってたら…なんかヤバいのが来て笑
それが₩くんでした。
なんか本人は「してない」って言い張るんですけど、ライブもやって、バチバチにかましてて。
 
₩:
まあライブ…やってたんだろうね、なんかマジで覚えてないわ。
あの日はなんか歯止め効かなくなっててさ。
血まみれになってたし。
 
GNB AAlucarD:
そう、でなんかその状態でダル絡みしてくるんですよ…最初の方は僕も結構ピリピリしてたんで、「うぜえなぶっ殺そうかな」って思ってたんですけど。
で周りの自分の友達もピリピリした感じになってたんですけど、₩くんが「とにかく俺の曲を聴いてくれ」ってしつこいんですよ。
で、聴いてみたらめっちゃカッコ良くて…ライブでもかましまくってて「何こいつ、良いじゃん」って、自分と同じフィーリングを感じました。
 
でも話しながら「ああ、でもこいつ、このノリだと2週間後とかには死んでそうだな」って思ったんですけど、なんかいま隣で生きてますね笑
 
ORIGAMI:
初めて出会ったのが楽屋だったんですよ。
俺とAAlucarDが楽屋にいたら₩が入ってきたんですけど、なんかドア開けた瞬間に倒れ込んで、周りが「おい、₩!」とか言って駆け寄って笑
やべえ奴が来たなって思いました笑
 
そのあと₩くんはフロアを上裸の血まみれの状態で、休憩とか一切なしで暴れ回ってたんですよ。
なんか口にピアスを付けてたんですけど、それも2, 3個ちぎれてダラダラ血が出てる状態で笑
 
GNB AAlucarD:
その時の様子を写真に撮られてて、それが”Attack”のジャケットになってますね。

 
₩:
マジで覚えてねえわ。
多分ピアスとかもモッシュの中でぶん殴られて取れたんだと思いますけど。
まあでもモッシュってそういうものなんでいいかなって。
あれなんですよ、俺らのイベントはマジで法律とかないんで。
人刺しても絶対バレねえし。
 
GNB AAlucarD:
だからまあぶん殴られたら笑って許してねって感じなんですよ。
「俺はお前のことが好きだから殴ってる」って思いです笑
 
ORIGAMI:
そういう世界で、あの日の₩くんは優勝してたってことです。
一番かましてた。
 
なんか、GNB (AAlucarD)と₩が話してるのを自分も横で見てたんですけど、
話してる途中に₩が白目剥いて倒れるんですよ笑
で、GNBが「おい!大丈夫か!」って駆け寄るみたいな笑
そんな感じが、彼との初めての出会いでした。
 
₩:
なんかそのときはマジで良くない薬とかいっぱいやってて。
でもほんとにこの業界でやってくんだったら、この薬やってたら死ぬなと思って。
マジでヤバかったし、今は決別しましたね。
 
…でも俺、マジで白目剥いてぶっ倒れてたの?
やべえわ、普通に黒歴史だわ、はずい笑
 
GNB AAlucarD:
他にも白目剥いて倒れてる奴何人かいたから大丈夫だよ笑
まああの日は凄かったね…他にもここじゃ書けないような事件もいっぱい起きたし。
 
 
─インパクトありますね…皆さんのイベントは毎回そんな感じなんですか?
 
GNB AAlucarD:
いや、ここまでのは毎回ではないです。
あのときは特別ですね。
 
₩:
でもなんか、ARKHAMとかが絡んでくると大体こういう感じになりますね。
それはやっぱ(ARKHAMは)マジで凄いと思う。
曲で言ってるようなハードコアなことを現実に起こしている訳で、マジかっけえってなりますね。
 
こないだもライブで客が暴れすぎてイベント中止になったもんね。
俺らからすると最高に盛り上がってるのになんでって感じでしたけど。



ORIGAMI:
その時のライブ会場が、渋谷のタコス屋さんだったんですよ。
飲食店だけどライブできる設備やスペースがあるみたいなところで。
普通に食べにくるお客さんもいたのかもしれないですけど、外から見ると客同士が暴れまわってるヤバい空間で「なんだこれ」ってなったかもしれませんね笑
 
 
─当然曲によって色んなテイストがありますが、そのモッシュでの力の解放しかり、
 皆さんの曲は、本質的には共通して「ムカつく」「ふざけんな」的な、抑圧に対するカウンターの色が強いと思います。
 曲作りの原動力となっているのはなんでしょうか?
 
ORIGAMI:
俺は復讐心ですね。
音楽を始めたきっかけが…あんま深くは言えないんですけど、人から見下された経験みたいなのが根底にあって。
「あいつ俺のこと見下しやがって、でも俺がのし上がったら媚売ってくんだろ。じゃあそうしてやるよ」っていう、見返してやるみたいなマインドです。
その舐めんなよ的なバイブスで、自分のラップもどんどん強くなってる。
 
GNB AAlucarD:
僕は…感情的になって作る作品もいくつかあるんですけど、基本的にはパーティーな曲が好きで。
最近も作ってる曲は結構パーティー寄りなんですけど…この曲はどこで聴いて欲しいか、を具体的にセットして作ってます。
家で彼女と聴いて欲しい曲とか、友達とドライブしながら聴く曲とか、結構シチュエーションをきっちり決めて作るのが最近ですね。
自分も舐められないように、っていう原動力はあるし、それで強気なラップをすることが多いんですけど、
曲としてはもっと内面的な弱さに迫ったり、色んなものを出して行こうかなって感じです。
大人になりました笑
 
₩:
自分もその舐めんなよみたいなマインドはもちろんあるし…まあ、この3人はみんなあるんですよ。
それを曲にしたときになんで俺の場合こんなに攻撃的な曲になるのかって言うと、それが俺っていうアーティストを最も表してるからですね。
「₩ってどんなラッパーなの?」ってなったときに、暴れたり叫んだりするのが好きな自分っていうのがいる。
そのきっかけには…例えば身の上話ですけど、小さい頃から親父にいつも殴られて育ってきて、暴力が身近だったからとかもあって。
別にそれだけが理由でこうなったとかじゃないですけど、₩っていうアーティストを表すなら「攻撃」っていうか、「闘い」だから、曲もこうなってるって感じですね。
 
ORIGAMI:
最初に作った曲のタイトルが”ATTACK”だもんね笑
 
₩:
そう、それも最初の曲だから、俺と言えば攻撃でしょってことでそうしたんだよ。
だから俺のスタイルは、攻撃姿勢でシャウトしてラップしてディスる、みたいな。
「そこで満足してるんだ、俺はもっと上に行くけどね」ってマインドでやってます。
別に俺も楽に行けるとは思ってないですけど、そういう覚悟はある。
 
GNB AAlucarD:
そうだね。
自分もやっぱ周りのラッパーも(LEX然り)成功してる奴がどんどん出てきてるし、
全国でも若くて売れてる奴とか見てきてるから、早くこうなんなきゃ、っていう思いはある。
 
₩:
かと言ってそういう人たちにジェラシーを感じてる訳ではないですけどね。
自分の”FFA”って曲のリリックなんですけど「自分と仲間のこと以外には一切興味ない」って…マジで興味ないんですよ。
あいつとあいつがどうとかマジどうでも良いし、他のだっせえ奴ら聴くの時間の無駄だから俺らの曲聴けよって感じですね。
GNB AAlucarD:
実際、もう手のひら返す奴とか出てきてるしね。
 
₩:
俺も中学、高校の頃とかは周りからハブられてるような奴だったんですけど。
曲出すようになって、当時ハブいてた奴らから「最近どうしてる?遊ぼうよ」って連絡来るみたいな。
ガミ(ORIGAMI)も最近そんなことあったって言ってたよな?
クソ気持ちいいんだよな、あれ。
 
ORIGAMI:
ヤバいね。
こんなに手のひら返しあるんだみたいな。
 
GNB AAlucarD:
僕もこないだライブしたとき、女の子に写真求められて。
で、写真撮ってたらその女の子の彼氏?みたいな人に絡まれて、「ライブ前にダルい絡みすんなよ」って感じだったんですけど。
ライブでかましたらその男の人が「カッコ良いすね、ヤバい。俺も写真撮って」って寄ってきたんですよね…あれは最高でした。
 
₩:
あのときゴンベ(GNB AAlucarD)バチバチにカマしてたもんな。
彼、仲間目線とか抜きに、アーティストとしてライブがほんとにカッコ良いんですよ。
 
こないだ埼玉でライブしたときがあったんですけど。
先にライブしたガミがカマして客が疲れてたり、機材トラブルが起きたり…色々重なってお客さんが一回いなくなっちゃったんですよ。
そんな中でゴンベの番になったんですけど、そんな状況でライブするって、腐る奴とかもいると思うんですよ。
でもこいつはいつも通り全力でライブして、全力で汗だくになりながらシャウトしてた。
それを俺は見てて「こいつマジでかっけえ、パンクだな」ってなりました。
だから「カッコ付けないで全力でやる」、一番カッコ良いってのはそういうことです。
 
 
─「ダラダラやってる、それで金稼ぐ俺ら最強」みたいなアティチュードのラッパー像もあったりしますが、皆さんはそうではないと。
 
₩:
そうですね、俺らは違います。
本気出してやった方が絶対楽しいし、全力で考えてやってますね。
逆にそういうアティチュードは全然分かんない。
まあ、全力でやりながら表ではスカしてる、みたいなのはアリかもですけどね。
 
 
─皆さんのスタンスが伝わってきます。そこから3人で出した”LOL My Life”のお話も伺えればと思いますが、この曲について教えて貰えますか?



GNB AAlucarD:
この曲は元々₩とORIGAMIの曲だったんですけど、制作してる場にたまたま自分もいて…じゃあやろうかってなって3人の曲になりました。
ただまあ聴いて貰えれば分かる通り、結構歌詞はアウトな曲じゃないですか笑
実はこれ、友達の家で録音してて。
曲の最後の方にある「覚〇剤打ちまくって遊ぶ」ってラインを、₩が超デカい声でシャウトしてたんですよ。
そしたらシャウトが終わった瞬間友達のお父さんが部屋に入ってきて、₩くんが「覚〇剤とかやってないすよ!!」って、別に聞かれてもないのに否定してました笑
なんかお父さんはメルカリかなんかのことを尋ねたくて部屋に来ただけらしいんですけど、俺ら勘ぐっちゃって笑
₩くんが0.5秒くらいでマジな剣幕で否定したんで面白かったですね。
 
でもまあ今は誰もそういう薬はやってないです。
 
 
─あ、そうなんですね?
 
ORIGAMI:
マジでそうですよ笑
 
GNB AAlucarD:
結構”LOL My Life”の影響もそうだし、俺らに対して話の通じねえ薬物中毒者みたいなイメージが出来上がってるらしいんですけど。
まだ人間やめるつもりはないんで、今は大丈夫です。
生きてるのが大事だし、そこまで計画性ない人間ではないんで笑
 
 
─じゃあそれはリスナーにも伝えといた方が良いですね。
 3人とも、身体に悪い薬はやめたそうです!笑
 
ORIGAMI:
そう、今はもう合法非合法とかじゃなくて、ちゃんと体に良いもの、悪いものって見分けは付いてるんで。
俺らは薬物中毒者じゃないしどうしようもなくないです笑
 
₩:
なんか俺らどうしようもない薬中らしい、みたいな噂が立ってるんですよね笑
まあ他人の言うことなんかマジでどうでもいいんだけど、ダルいっすね。
 
GNB AAlucarD:
なんか眠剤みたいな安いドラッグしか買えないような奴らが遠回しに絡んでくるんですよ。
HIPHOPもコミュニティ狭くてそういうのが聞こえてくるんでウザいですね、あることないこと尾ひれついてるし。
 
₩:
まあでもさっきの話ですよね、俺らはそういうしょうもないのに付き合う暇がないし、興味がないんで。
そんな暇あったら俺らの曲聴いとけよって。
 
 
─3人に会ってみて、自分もそこは良い意味で意外でしたね。
 もっと適当にHIPHOPやってやるぜ、みたいなノリかと思ったら、ガンガンに計画立てて覚悟を持って動いてるんだなと。
 
₩:
そうですね、ガンガン動いてます。
こういう機会がないとただのジャンキー扱いされるんで、その辺の思いは言えて良かったです。
別に努力してる、考えて動いてること自体をひけらかすつもりはないですけどね、ひけらかして成功する訳じゃねえし。
 
 
─ところでShaun Pxllyさんとも楽曲を発表され、共にライブをする機会も多いと思います。
 PxllyやARKHAMとの関係性を教えて頂けますか。
 
₩:
ほんとにお世話になってる優しい先輩って感じです。
ほんとに良い人だし、尊敬してますね。
 
ARKHAMのメンバーもLil JくんやLifelessくんとか面識あって仲良くさせて貰ってます。
 
ORIGAMI:
その中でも特に仲良くさせてもらってるのはショーンくんですね。
 
GNB AAlucarD:
最近一緒にやらせてもらうことも多いしね。
 
₩:
凄いことだよね、ショーンくんと一緒に出来るって。


─そこからShaun Pxlly”Riot Life feat. GNB AAlucarD, ORIGAMI, ₩”の発表までいく訳ですもんね。
 3人とShaun Pxllyさんはどうやって出会ったんですか?
ORIGAMI:
俺が最初に出会ったのは今年の8月15日に野外のイベントがあったんですけど。
そこでショーンくんもいて。
そのあとまた埼玉でライブがあって、僕ら3人も出て、ショーンくんも出てて。
3人のライブを見てくれて「こいつらは凄い」って言って貰って、バイブス受けてくれたって感じですね。
 
そこから話が広がって、”Riot Life”を作るとこまでいきました。
 
 
─なるほど、”Riot Life”以降、皆さんの動きがどんどん大きくなってきている予感がします。
 今後の動きについて、予定しているものがあれば教えて下さい。
 
ORIGAMI:
俺とGNB AAlucarDはEPを出します。
俺はサブスク配信で『祈神』を11月15日に出す予定です。
客演はこの₩とGNB AAlucarDですね。
 
GNB AAlucarD:
僕もサブスク配信でEPを11月22日に出します。
ただ…ちょっとまだタイトルとか客演とかは伏せさせて下さい。
 
₩:
僕もちょっと練ってて…今後EPもあるし、MVも出るし。
今後は₩ってラッパーを本格的に売り出そうかなって思ってます、周りと差をつけようかなと。
こっちが本気でやればあっち(リスナー)も本気で反応返してくれると思うし。
マジで言っときたいのは、俺らはまだ始まってもないんで。
いまスタートラインに立ったとこだと思います、それはキャリアって意味でもだしスキルも、考え方も。
 
GNB AAlucarD:
俺らに注目しといてくださいってことだね。
まあ来年くらいからはどんどん来るだろって感じですね。
 
ORIGAMI:
いま数を誇って慢心してる奴らは今に見とけよって。
ラップ始めて1年とかの俺らが全員追い越していくんで。
 
₩:
でもあれだね、人から何時間も質問されるとか取り調べ以外で初だから楽しかったわ。
取り調べ以外ではこれが初めてのインタビューですね。


─最後のはパンチラインですね笑 ありがとうございました。
 

以上 (2020/11/05)
───

ORIGAMI: 1st EP 『祈神』 11/15 リリース on 各種配信ストア


GNB AAlucarD: 1st EP 11/22リリース on 各種配信ストア

SoundCloud


₩: 1st EP & MV制作中

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